
「画面割れiPhoneは下取りしてもらえる?」
「壊れたiPhoneの下取り価格はいくら?」
「Appleとキャリアはどっちがお得?」
壊れたiPhoneを下取りに出したいけど、どこに出せば一番お得なのか、そもそも下取りしてもらえるのか不安に思っている人も多いことだろう。
結論から言うと、壊れたiPhoneでも状態によっては下取りが可能で、キャリアの方がAppleよりも高額査定を期待できる。
しかし、各社で査定基準や下取り条件が異なるので注意が必要だ。
この記事では、壊れたiPhoneを少しでも高く下取りしてもらいたいと考えている人に向けて、Apple製品買取販売店を10年以上経営してきた経験を持つ筆者が、以下の内容を詳しく解説していく。
この記事を読めば、状態の悪いiPhoneでも無駄にすることなく、最も有利な条件で下取りに出せるようになるだろう。
家計の負担を少しでも減らし、新しい端末をお得に手に入れるためにも、ぜひ本記事を最後まで読んでもらいたい。
壊れたiPhoneの下取りと買取の違いとは?

iPhoneの「下取り」と「買取」、実はこの2つには明確な違いがある。
ここでは、その違いについて以下の通り2つの項目に分けて詳しく解説していく。
それぞれ詳しく見ていこう。
下取りと買取の基本的な仕組みの違い
下取りと買取の基本的な仕組みには、根本的な違いがある。
一般的に下取りとは、Appleやキャリアで使わなくなった端末を引き取ってもらい、その対価として新たに購入する機種代金の値引きや、ポイント還元をしてもらうサービスのことを指す。
一方、買取とは、買取業者などで不要になったiPhoneを売却し、その対価として現金を受け取ることを指している。新しい機種を購入する必要はなく、単に手持ちの端末を現金化するサービスを買取という。
最大の違いは「新しい商品を購入するかどうか」という点にある。
「下取り」は新製品購入を条件とした交換の一種であるのに対し、「買取」は単純に中古品を売却する行為ということなのだ。
還元方法の違い(現金 vs ポイント・割引)
下取りと買取では、対価の受け取り方が大きく異なる。
買取の場合は、査定後すぐに現金を受け取れることが最大の特徴だ。受け取ったお金の使い道に制限はなく、自由に使うことができる。
対して下取りの場合、3大キャリアでは新たに購入する機種代金から下取り価格分が割引されるか、dポイント(ドコモ)やPayPayポイント(ソフトバンク)、Pontaポイント(au)で還元される。
ただ楽天モバイルの下取りサービスは、他のキャリアの下取りとは異なり、新たに端末の契約をしなくても利用することができるようになっている。
楽天IDを持っていれば、1年間で最大5台まで下取りに出すことが可能となっていて、下取り価格の還元方法は楽天キャッシュだが、どちらかと言えば現金買取に近いサービスとなっているのが特徴だ。
Appleの場合は、新しいiPhoneを購入する際の代金から差し引かれるか、Apple Gift Cardとして受け取ることも可能となっている。
壊れたiPhoneはAppleで下取り可能?条件と査定額を解説

壊れたiPhoneを下取りに出す場合、まず思いつくのはAppleの下取りプログラム「Apple Trade In」ではないだろうか。
しかし、Apple公式の下取りプログラムには独自の基準があり、特に破損状態のiPhoneについては注意する必要がある。
ここでは、「Apple Trade In」について以下の3つの項目を詳しく解説していく。
それぞれ詳しく見ていこう。
【Apple】画面割れiPhoneの下取り価格
Appleでは画面が割れたiPhoneの下取り価格は基本的に100円となっている。これは実質的に「ほぼ0円」の評価だと考えて良いだろう。
たとえばiPhone15Pro(1TB)の場合、画面割れがないときの査定額が91,000円(2025年5月21日時点)なのに対し、画面割れがある場合には、なんと査定額が100円に激減する。
つまりAppleの下取りでは、画面割れがあるだけで端末価値がほぼゼロとみなされてしまうということだ。
画面割れがあるiPhoneをAppleに下取りに出すことは、ほとんど意味がないと言えるので、十分な注意が必要だ。
【Apple】機能不良iPhoneの下取り価格
画面割れだけでなく、ボタンの不具合やカメラの故障など機能に問題があるiPhoneも、Appleの下取りでは100円の査定となる可能性が高い。
Appleの査定システムは、以下の要素を分析して価格を決定している。
正確な査定額は実際に端末を送ってみないと分からない。
しかし機能不良がある場合、上記の要素がすべて悪影響を受けるため、下取り価格が100円になってしまう可能性が高いと言えるだろう。
いずれにしても、何らかの不具合のあるiPhoneは、Appleの下取りに出さないことが得策だ。
Appleでリサイクルになるケース
以下のような状態のiPhoneは、Appleでは「リサイクル対象」となり、実質的に無償での引き取りになる。
Appleはこうした端末をリサイクル品として分別し、環境に配慮した資源の再利用を行っている。
リサイクルは無料で受け付けているので、キャリアや買取業者で値段をつけてもらえないようなiPhoneを、適切な方法で処分したいという時には選択肢の一つとなるだろう。
ただし、データが残っている場合は情報漏洩リスクがあるため、確実に初期化をしてからリサイクルに出すようにしよう。
【キャリア別】壊れたiPhoneの下取り条件と査定額を徹底比較

Appleの下取りでは、壊れたiPhoneの価値はほぼゼロになってしまうが、キャリア各社では状況が大きく異なる。
ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルでは、画面割れや機能不良があっても一定の価格で下取りしてくれる場合が多い。
ここでは各キャリアの下取り条件と査定額について、以下の通り詳しく比較していく。
それぞれキャリア別に詳しく見ていこう。
ドコモでの壊れたiPhone下取り条件と査定額
ドコモの下取りプログラムは、2025年5月22日時点で最大119,000円(税込)相当の割引又は、dポイント還元を受けられるサービスだ。
ドコモでは壊れたiPhoneでも下取りが可能で、端末状態を以下の3つに分類している。
「良品」は軽微な生活傷がある程度で正常に動作するもの、「画面割れ品」はディスプレイが割れているが正常に動作するもの、「機能不良品」は動作不良を起こしているものだ。
例えば、2025年5月22日時点でのiPhone15ProMax 1TB下取り上限価格は、以下のようになっている。
良品 | 119,000円 |
画面割れ品 | 35,700円 |
機能不良品 | 35,700円 |
Appleでの下取りの場合、画面割れ品や機能不良品は100円(又はリサイクル品)となるので、それに比べるとドコモの下取りはかなり良心的だと言えるだろう。
ただし、以下のような状態の端末は下取りできないので注意が必要だ。
ドコモの下取り申し込み方法は、店頭方式と郵送方式があるが、新たな機種をドコモで契約しなければ利用できないので注意しておこう。(下取りサービス単体での利用は不可)
auでの壊れたiPhone下取り条件と査定額
auの下取りプログラムは、2025年5月時点で最大121,000円相当の値引き、又はPontaポイント還元が受けられるサービス。端末状態を大きく分けて、「通常品」と「破損品」の2段階で評価している。
通常品は全機能が正常動作するもので、傷の状態に応じてA、B、Cランクのいずれかに分けられる。
破損品は画面割れ・ボタン破損・カメラ機能不全など、部分的な不具合を含むものとなっていて、Dランクに分けられる。
ただし、不具合がなくても傷の状態によっては、Dランクに振り分けられる可能性があるので注意しておこう。
iPhone15ProMaxの2025年5月22日時点での下取り価格は、容量問わず以下のようになっている。
Aランク(とても良好) | 121,000円 |
Bランク(良好) | 111,000円 |
Cランク(使用感あり) | 106,700円 |
Dランク(破損あり) | 31,900円 |
Dランク(破損あり)でも31,900円の下取り査定価格を提示しているので、やはりAppleの下取りに比べればかなり良心的だと言えるだろう。
ただし、以下のような状態の端末は下取り対象外となるので注意が必要だ。
auの下取りプログラムは、店頭またはau Online Shopで申し込み可能だが、新たな機種をauで契約しなければ利用できないので注意しておこう。(下取りサービス単体での利用は不可)
ソフトバンクでの壊れたiPhone下取り条件と査定額
ソフトバンクの下取りプログラムは、2025年5月22日時点で最大120,240円の値引き、又はPayPayポイント還元が受けられるサービスだ。
ソフトバンクのiPhone下取り査定では、端末状態を「良品」と「破損品」の2段階で評価している。
破損品と評価されるのは、以下のような状態。
ただし以下のような状態の端末は、下取りの対象外となるので注意しておこう。
iPhone15ProMaxの2025年5月22日時点での下取り価格は、容量問わず以下のようになっている。
良品 | 120,240円 |
破損品 | 36,720円 |
査定金額については、ドコモ、auの下取り価格と大差はないが、破損品でも36,720円なので、Appleの下取り(100円あるいはリサイクル品となる)に比べればかなり良心的だ。
SB下取りプログラムの申し込みは、店頭またはオンラインで可能だが、新たな機種をソフトバンクで契約しなければ利用できないので注意しておこう。(下取りサービス単体での利用は不可)
楽天モバイルでの壊れたiPhone下取り条件と査定額
楽天モバイルの下取りは、楽天モバイルで新たに機種契約をすることなく、年間最大5台まで下取りサービスを単体で利用できるのが最大の特徴となっている。
下取りサービスの利用には、楽天IDを取得していることが条件となり、下取り価格の支払いは楽天キャッシュとなるのだが、どちらかと言えば現金買取に近いサービスと言えるだろう。
iPhone15ProMaxの下取り価格については、2025年5月22日時点で以下のようになっている。
良品 | 120,060円 |
画面損傷品 | 56,000円 |
外装損傷機能不具合品 | 56,000円 |
画面損傷品や、その他の壊れたiPhoneであっても、56,000円の下取り価格を提示している。これは他のキャリアと比べても圧倒的に高額だと言える。
ただし以下のような状態の端末は、楽天モバイルで下取り対象外となるので注意しておこう。
申し込みはオンラインのみで、査定完了後は楽天キャッシュが付与される。
各キャリアとAppleの壊れたiPhone下取り価格比較
ここでは、各キャリアとAppleの壊れたiPhone下取り上限価格を機種別に比較していく。
比較対象機種は以下のとおり。
それぞれの価格を詳しく見ていこう。
表示価格は、2025年5月23日時点の壊れたiPhone下取り上限価格
iPhone15ProMax
ドコモ | 35,700円 |
au | 31,900円 |
ソフトバンク | 36,720円 |
楽天モバイル | 56,000円 |
Apple | 100円 |
iPhone14ProMax
ドコモ | 26,100円 |
au | 19,800円 |
ソフトバンク | 23,040円 |
楽天モバイル | 39,000円 |
Apple | 100円 |
iPhone13ProMax
ドコモ | 19,200円 |
au | 18,150円 |
ソフトバンク | 19,440円 |
楽天モバイル | 30,500円 |
Apple | 100円 |
iPhone12ProMax
ドコモ | 12,900円 |
au | 9,900円 |
ソフトバンク | 10,800円 |
楽天モバイル | 19,400円 |
Apple | 100円 |
この比較から、壊れたiPhoneの下取り価格は楽天モバイルが最も高く、Appleの下取りとの差は非常に大きいことがわかる。
ただし、キャリアごとに査定基準や手続き方法、還元方法が異なるため、価格だけでなく利便性も考慮して選択することが重要だ。
壊れたiPhoneを下取りに出す前にやるべき準備3つ

壊れたiPhoneを下取りに出す前には、必ずやっておくべき準備がある。
必要な準備を怠ると、下取りを断られたり、個人情報が漏洩したりするリスクがあるため注意が必要だ。
ここでは、トラブルを避けて安全に下取りを進めるために、以下の3つの重要な準備について解説していく。
それぞれ順番に詳しく見ていこう。
端末状態の確認
iPhoneを下取りに出す前には、自分自身で端末の状態を確認しておく必要がある。
なぜなら、Appleやキャリアの下取りでは、端末の状態によって下取り不可となってしまう場合があるからだ。
Appleや各キャリアによって下取り基準は異なるが、多くの場合、端末が以下のような状態だと下取りをしてもらえない。
iPhoneを下取りに出す前には、必ず事前に端末状態を確認し、下取りの対象外になっていない事を確かめておこう。
端末の初期化
iPhoneを下取りに出す前には必ず端末の初期化を行う必要がある。
なぜなら、初期化ができていない端末は、Appleやキャリアで下取り不可となるだけでなく、情報漏洩のリスクがあるからだ。
端末が壊れていても操作が可能な状態であるなら、iPhoneの「設定」から初期化することができる。
iPhoneの操作ができないような破損状態であっても、iCloud.comやPCを使って初期化する事は可能だ。
(壊れたiPhoneの初期化方法、データ消去のやり方について詳しくは、「壊れたiPhone買取おすすめ業者3選とデータ消去完全マニュアル」で解説している。)
壊れたiPhoneを下取りに出す前には、必ず事前に端末の初期化を実行しておこう。
アクティベーションロックの解除
通常、iPhoneを初期化する場合には「iPhoneを探す」をオフにするため、アクティベーションロックは初期化と同時に解除される。
しかし、初期化のやり方によっては、アクティベーションロックがかかったままの状態となってしまう場合がある。
たとえ初期化を実行していても、アクティベーションロックがかかっている端末は下取り対象外となるので、必ず事前に解除しておかなければならない。
端末が操作できる状態であるなら、初期化前にiPhoneの「設定」から「iPhoneを探す」をオフにして、iCloudからサインアウトしておけばOK。
端末が操作できないような破損状態であっても、iCloud.comやPCを使って、アクティベーションロックを解除することは可能だ。
(壊れたiPhoneのアクティベーションロック解除方法について詳しくは、「壊れたiPhone買取おすすめ業者3選とデータ消去完全マニュアル」で解説している。)
iPhoneを下取りに出す前には、初期化をすることはもちろんのこと、アクティベーションロックも確実に解除しておこう。
壊れたiPhoneの下取り以外の選択肢

壊れたiPhoneを手放す方法は下取りだけではない。状況によっては下取りよりも有利な選択肢もあるため、すべての可能性を検討してから最適な方法を選ぶことが重要だ。
ここでは下取り以外の4つの選択肢について解説していく。
それぞれ詳しく見ていこう。
スマホ買取業者での売却
下取り以外の選択肢で、最もおすすめしたいのがスマホ買取専門店での売却だ。
なぜなら、壊れたiPhoneでも積極的に買い取ってくれるスマホ買取業者はいくつかあり、状態次第ではキャリアの下取り価格よりも高額になる場合があるからだ。
スマホ買取業者を利用する最大のメリットは、買取金額分を現金で即座に受け取れること。下取りのようにポイント還元や値引きではなく、すぐに現金化できるため使い道に制限がない。
AppleやキャリアのiPhone下取り査定結果に満足できなかった場合には、スマホ買取業者での売却を検討してみてはどうだろうか。
壊れたiPhoneでも買取してくれる業者については、「壊れたiPhone買取おすすめ業者3選とデータ消去完全マニュアル」や、「iPhone買取高額ランキング7選!元Apple製品買取店社長が徹底解説」で紹介しているので、ぜひ参考にしてほしい。
メルカリやヤフオクで販売
下取り以外の選択肢としては、メルカリやヤフオクなどを使って、個人間で直接販売する方法もある。
メルカリやヤフオクなどでは、壊れているiPhoneであっても、部品取りや修理目的といった需要があるため、高値で販売できる場合があるのだ。
しかし個人販売にはリスクも多い。
出品や梱包の手間がかかるほか、購入者とのトラブルが発生する可能性もある。「思っていた状態と違う」「動作しない」などのクレームを受けることもあるだろう。
売れるまでに時間がかかることも多く、すぐに現金化したい場合には向いていない。出品手数料も考慮する必要があり、実際の手取り額は想定より少なくなるということもある。
適切な方法で処分する
下取りサービスや買取業者でも値段がつかないようなiPhoneは、適切な方法で処分することが大切だ。
たとえばAppleでは、無料でiPhoneのリサイクルを受け付けている。完全に壊れた端末でも環境に配慮した方法で処理してくれるため、安心して依頼できる。
ほかにも、キャリアのリサイクル回収サービスや自治体が設置している回収ボックスを利用するなど、壊れて値段のつかないiPhoneを適切に処分する方法はいくつかある。
ただし、初期化ができない端末は情報漏洩やバッテリー発火の危険があるため、リサイクルではなく端末を物理的に破壊してくれる業者で廃棄することをおすすめする。
これらについて詳しくは、「壊れたiPhoneの処分方法6選と安全な捨て方を徹底解説」で解説している。非常に重要なことなので、必ず目を通しておいてもらいたい。
まとめ:壊れたiPhoneの下取りはキャリアがお得!

最後に重要なポイントを整理しておこう。
まず、「下取り」と「買取」の基本的な仕組みの違いについては、しっかりと理解しておく必要がある。
査定価格は、下取り先によって大きく異なる点に注意が必要となる。
たとえば、Appleの下取りでは、画面割れや機能不良のあるiPhoneは一律で100円の査定となり、実質的に価値がないと判断されてしまう。
一方で、キャリア各社では、同じような壊れたiPhoneでも以下のような価格で下取りしてくれる。
iPhone15ProMax壊れたiPhone下取り上限価格
(2025年5月22日時点)
ドコモ | 35,700円 |
au | 31,900円 |
ソフトバンク | 36,720 円 |
楽天モバイル | 56,000 円 |
Apple | 100円 |
このようにAppleと比較すると、壊れたiPhoneの下取り価格は、キャリアのほうが圧倒的に高額であることが分かる。
そして下取りを利用する際には、以下の準備が必須となっているので必ず確認しておいてほしい。
特に端末の初期化(データの削除)は、個人情報保護の観点から必ず行うべき重要なステップとなっている。
下取り価格に満足できなかったり、下取り不可となってしまった場合には、以下のいずれかの売却方法、処分方法を検討してみよう。
自分の状況や目的に応じて最適な方法を選ぶことが大切だ。
壊れたiPhoneは「ただのゴミ」ではない。
適切に価値を活用すれば、新しい端末をお得に入手でき、家計の負担を軽くすることにもつながる。
正しい知識をもって、賢い判断をするようにしよう。