「iPhoneて保険に入った方がいいの?」
「AppleCare+ってどうなの?」
「AppleCare+以外の保険ってどうなの?」
今回は、このような疑問に答えていこうと思う。
本記事では、元Apple製品買取・販売・修理店社長で、さくら少額短期保険が提供している「モバイル保険」の取り扱い経験もある筆者が、以下の通り解説を行なっていく。
一概には、iPhoneユーザーは保険に入るべき、入る必要はないという答えをお伝えする事は出来ない。
しかしこの記事を読めば、AppleCare+やその他のスマホ用保険に関する必要な情報を得る事が出来るので、自分にとってiPhoneの保険は本当に必要なのか不要なのか、又、必要であるならどの保険に加入するべきなのかを判断出来るようになるだろう。
iPhoneユーザーには必見の内容となっているので、ぜひ最後まで読んでみてほしい。
AppleCare+について
iPhoneの保険と聞いて、最初に思い浮かべるのがAppleCare+だという人も多い事だろう。
そこでまずは、以下の通りAppleCare+について5つの項目を解説していく。
それでは一つずつ解説していこう。
1.ハードウェア製品限定保証との違い
iPhoneなどのApple製品は、AppleCare+に加入しなくても、購入後1年間のハードウェア製品限定保証が無料で付いてくる。
しかしハードウェア製品限定保証は、あくまで自然故障の場合に限っての保証となるため、画面割れや背面割れなどの利用者側の過失による故障は保証対象外となっている。
一方、AppleCare+については有料ではあるものの、自然故障時の保証はもちろんのこと、画面割れや背面割れなどの利用者側に過失のある故障であっても保証対象となっている。
因みに、AppleCare+は、「AppleCare+ for iPhone」や、「AppleCare+ for iPad」のように、加入するデバイスごとに名称の違いがあるのだが、保証内容についてはほぼ同じと考えておけば良いだろう。
2.AppleCare+ for iPhone加入のメリット
AppleCare+ for iPhoneに加入すると、以下の通り様々なメリットがある。
- 格安でiPhone修理をしてもらえる
- 劣化したバッテリーの無償交換
- テクニカルサポートの優先対応
- エクスプレス交換サービスが利用可能
それぞれ解説していく。
格安でiPhone修理をしてもらえる
Apple又は正規店でのiPhone修理料金は、ハードウェア製品保証対象期間中の自然故障の場合を除き、AppleCare+未加入であれば驚くほど高額となる。
しかしAppleCare+加入時の(Apple又は正規店での)iPhone修理料金は、超格安となる。
劣化したバッテリーの無償交換
AppleCare+に加入しているiPhoneは、バッテリー最大容量80%未満になれば無償でバッテリー交換してもらえる。
バッテリー最大容量は、「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」から確認する事が出来る。
テクニカルサポートの優先対応
Appleのテクニカルサポートは混み合っている事が多く、長時間待たされる場合が多い。
しかしAppleCare+に加入していると、優先的にApple専任スペシャリストにアクセス出来るため、スムーズにサポートを受ける事が出来る。
エクスプレス交換サービスが利用可能
Appleに修理を依頼すると、完了まで早くても1週間程度はかかってしまうだろう。
1週間かそれ以上の期間、手元にiPhoneが無いのは困るという人も多いはず。
そこで便利なのが、AppleCare+加入者特典のエクスプレス交換サービス。
エクスプレス交換サービスを利用すれば、申し込み後すぐに代替機が手元に届く。
但し、代替機の受け取りと同時に、修理に出すiPhoneを配達員さんに手渡さなければならない。又、エクスプレス交換サービスの利用は有料となるので、その点は注意しておこう。
3.AppleCare+ for iPhoneの料金
iPhoneを対象としたAppleCare+ for iPhoneには、通常のプランの他、盗難・紛失プランがあり、それぞれ分割払いと一括払いが出来るようになっている。
それぞれの料金は以下の通り。
AppleCare+通常プラン
月払い | 2年間分一括 | |
---|---|---|
iPhone16Pro(Max) | 1,580円 | 31,800円 |
iPhone16Plus 15Plus,14Plus | 1,380円 | 28,800円 |
iPhone16,15,14 | 1,180円 | 23,800円 |
iPhoneSE3 | 580円 | 11,800円 |
AppleCare+盗難・紛失プラン
月払い | 2年間分一括 | |
---|---|---|
iPhone16Pro(Max) | 1,740円 | 34,800円 |
iPhone16Plus 15Plus,14Plus | 1,540円 | 31,800円 |
iPhone16,15,14 | 1,340円 | 26,800円 |
iPhoneSE3 | 740円 | 14,800円 |
途中解約すると違約金は発生する?
AppleCare+は一括払いを選択した方が割安だ。
しかし一括払いしてしまうと、途中解約時には返金されないのではないだろうか。
安心してほしい。AppleCare+は一括払いした後、途中解約したとしても以下の条件にて返金してもらう事が出来る。
購入後 30 日以内に AppleCare プランを解約される場合は全額返金いたします。ただし、すでにご利用になったサービスの対価は差し引かせていただきます。
購入後 31 日以降に AppleCare プランを解約される場合は、プランの保証残存期間の割合に基づいて按分計算した金額から、すでにご利用になったサービスの対価を差し引いた残額を返金いたします。
出典:AppleCare プランを解約する(Apple公式サイト)
月払いよりも割安料金で、途中解約の返金にも対応してもらえる為、AppleCare+の支払い方法は、一括払いを選ぶ方が良い選択だと言えるだろう。
4.Appleや正規店でのiPhone修理料金
Appleや正規店へiPhoneを修理依頼する場合、AppleCare+加入時と未加入時とでは、料金にどれくらいの違いが出るのだろうか。
機種別に画面修理料金を比較してみよう。
AppleCare+ 加入 | AppleCare+ 未加入 | |
---|---|---|
iPhone16 シリーズ | 3,700円 〜12,900円 | 42,800円 〜123,800円 |
iPhone15 シリーズ | 3,700円 〜12,900円 | 42,800円 〜114,800円 |
iPhone14 シリーズ | 3,700円 〜12,900円 | 42,800円 〜114,800円 |
iPhone13 シリーズ | 3,700円 〜12,900円 | 34,800円 〜96,800円 |
iPhone12 シリーズ | 3,700円 〜12,900円 | 34,800円 〜96,800円 |
iPhone11 シリーズ | 3,700円 〜12,900円 | 28,800円 〜96,800円 |
iPhoneXs(Max) | 3,700円 〜12,900円 | 42,800円 〜96,800円 |
iPhoneXR | 3,700円 〜12,900円 | 28,800円 〜59,400円 |
iPhone8(Plus) | 3,700円 〜12,900円 | 21,800円 〜59,400円 |
iPhone7(Plus) | 3,700円 〜12,900円 | 21,800円 〜48,200円 |
iPhoneSE(2,3) | 3,700円 〜12,900円 | 19,400円 〜44,000円 |
Appleや正規店にiPhoneの画面修理を依頼する場合、商品状態によっては画面交換修理ではなく、端末交換となるのだが、AppleCare+未加入の状態で端末交換を行うと、機種により10万円以上の料金となってしまう。
一方、AppleCare+に加入している場合は、仮に端末交換となった場合でも、MAX12,900円で済む。
因みに、AppleCare+未加入の場合に修理料金を安く抑えたいというなら、非正規修理店の利用をおすすめする。
「iPhone画面修理の料金を徹底比較!正規店vs非正規店」では、正規店と非正規店の修理料金の比較や、筆者おすすめの非正規修理店を紹介しているので、興味があればぜひ読んでみてほしい。
5.AppleCare+の加入条件
AppleCare+に加入したいという場合には、AppleCare+の加入条件を満たしている必要がある。
iPhoneであればApple製品なので加入可能なのだが、購入から30日以内でなければ加入出来ないので注意が必要だ。
因みに、自分のiPhoneがAppleCare+に加入出来るかどうか、或いは購入と同時に加入してたかどうかを確かめたいという場合、以下のサイトで確認する事が出来る。
AppleCare+に加入出来たとしても、Apple又は正規店以外で修理を行うとAppleCare+の保証対象外となってしまうので注意しておこう。
AppleCare+以外の保険
ここからは、AppleCare+以外のスマホ用保険を2つ紹介するので、自分に合ったスマホ用の保険を見つけてほしい。
キャリアの補償サービス
AppleCare+以外のスマホ用保険と聞いて、docomo、au、SoftBank、楽天モバイルなどのキャリアが提供しているスマホ用の補償サービスを思い浮かべる人も多いはず。
しかしキャリアの補償サービスは、docomoのsmartあんしん補償以外、AppleCare+をベースとしている。
キャリアならではのサービスでサポートが多少手厚くなる分、AppleCare+よりも高額になってしまうという事もあるので注意が必要だ。
各キャリアの補償サービスは以下の通り。
- docomo『smartあんしん補償』
- au『故障紛失サポートワイドwith AppleCare Services&iCloud+』
- SoftBank『あんしん保証パック with AppleCare Services』
- 楽天モバイル『故障紛失保証 with AppleCare Services & iCloud+』
保険会社系スマホ用保険
「AppleCare+はちょっと高い」
「もっと安いスマホ用の保険はないの?」
「AppleCare+の加入条件を満たしてない」
このような場合には、保険会社系のスマホ用保険がおすすめだ。
保険会社系のスマホ用保険は、AppleCare+とは明らかに料金や内容が異なる。
例えば中古iPhoneでも加入が出来たり、非正規修理店で修理を行った場合でも補償してもらえるなど、様々な種類のものがある。
月額数百円程度の支払いで、年間最大10万円まで補償してくれるといった保険が多く、近年では人気を集めている。
筆者おすすめの保険会社系のスマホ用保険については、「【必見】中古iPhoneでも加入可能なおすすめスマホ保険4選」で詳しく解説しているので、気になる人はぜひ読んでみてほしい。
保険がいらないiPhoneユーザー3選
AppleCare+を含めた、スマホ用の保険に入る必要がないiPhoneユーザーとは、どのような人なのか。
ここでは、その特徴を以下の通り3つ紹介する。
それぞれ解説していこう。
1.故障や紛失のリスクが極めて低い人
iPhoneを落下させても概ね問題がないような防水・耐衝撃ケース、さらに紛失防止グッズを使っているなど、故障や紛失に対して万全な予防策が出来ているという人であれば、スマホ用の保険に入る必要はないと言えそうだ。
2.経済的余裕のある人
たとえiPhoneが壊れたり紛失したとしても、すぐに新しい端末を購入すれば良いと考えられるほど金銭的に余裕のある人なら、わざわざ保険に入る必要はないかもしれない。
3.代替え機を複数所有している人
例えばスマホ買取・販売店の経営者などで、手元にいくらでも代替えとなるiPhoneがあるというような人であれば、故障や紛失といった万一の時でも困る事はあまりないだろう。
そういった環境下にいる人であれば、スマホ用の保険に入らなくてもあまり問題はないかも。
保険に入るべきiPhoneユーザー5選
次に、保険に加入した方が良いiPhoneユーザーの特徴を、以下の通り5つ紹介していく。
それぞれ解説していこう。
1.iPhoneをよく落とす
iPhoneを使っていて、頻繁に落下させてしまうような人は保険加入をおすすめする。
とくに、防水性や耐衝撃性能の備わっていないケースを装着しているという人は要注意。
「iPhoneは防水だから水没の心配はないんじゃないの?」と思っている人は多いかもしれない。
しかしiPhone(7以降のモデル)は、耐水性能は備わっているものの、防水ではない。
その為、トイレに一瞬落としてしまっただけでも水没してしまう可能性があるのだ。
iPhoneを水没させてしまうと、最悪の場合は買い替えの必要が出てくるので、そうならない為にも、保険加入を検討してみよう。
2.小さな子供がいる
いわずもがな、子供がいる環境下ではiPhoneが水濡れしたり、落下したりする可能性が高まる。
その為、職場や家庭に小さなお子さんがいるというiPhoneユーザーは、保険加入を検討した方が良いだろう。
3.高額なiPhoneを使っている
iPhoneは高額スマホだが、とくに新しいモデルのiPhoneは驚くほど高額になってきている。
そして高額なiPhoneほど修理代も比例して高額になっている。
故障や紛失をしてから後悔する事がないよう、高額iPhoneを使っている人は出来るだけ早めに保険加入するようにしよう。
4.家族にiPhoneを持たせている
自分だけではなく、家族にもiPhoneを持たせて使わせているという場合、故障や紛失の確率が上昇するため、なんらかのスマホ用保険に加入しておいた方が良い。
5.複数のデバイスを使っている
例えばiPhoneと一緒に、AppleWatchやAirPods、MacBookやiPadなどのデバイスを使っているといった場合、そのうちのどれか一つ、或いは複数のデバイスが壊れてしまう可能性がある。
とくにそれら複数のデバイスを、仕事や勉強などでよく外に持ち出しているという人は、保険加入を検討するべきだろう。
iPhoneの保険はどれがいい?
自分に合った最適な保険を知りたいな〜
ここでは、「AppleCare+」「キャリアの補償サービス」「保険会社系のスマホ用保険」のそれぞれが、どういったiPhoneユーザーに向いているのかを解説していくので、以下を参考に、自分に合った保険を選んでもらいたい。
「AppleCare+」「キャリアの補償サービス」がおすすめな人
以下のような人は、AppleCare+又は、キャリアの補償サービスがおすすめだ。
- 代替機をすぐに届けてほしいという人
- 店舗で説明を受けたい・加入したい人
それぞれ解説していこう。
代替機をすぐに届けてほしいという人
修理の期間中、手元に代替機がないと困るという人は多いと思うが、本記事で既に解説した通り、AppleCare+に加入していればエクスプレス交換サービスの利用が可能となる。
ドコモのsmartあんしん補償についてはエクスプレス交換サービスを利用できないが、加入していれば年2回までリフレッシュ品をすぐに届けてくれるサービスを利用出来る。
店舗で説明を受けたい・加入したい人
店舗で直接説明を受け、契約の申し込みをしたいという場合には、AppleCare+かキャリアの補償サービスがおすすめ。
AppleCare+であればAppleストアやカメラのキタムラなどの正規店店舗で、キャリアの補償サービスであれば、キャリア店舗で説明を受けたり、契約を申し込んだりする事が出来る。
保険会社系のスマホ用保険がおすすめな人
保険会社系のスマホ用保険がおすすめな人は以下の通り。
- コストを抑えたい人
- AppleCare+やキャリア補償サービスに加入できない人
- 複数のデバイスをまとめて加入したい人
それぞれ解説していく。
コストを抑えたい人
保険会社系のスマホ用保険は、月額100円から加入出来るようなものもあり、AppleCare+とは比較にならないほど安い金額で加入出来る。
手軽に加入が出来て、補償内容も悪くはない。
とにかくコストを抑えたいというのであれば、保険会社系のスマホ用保険がおすすめだ。
AppleCare+やキャリア補償サービスに加入できない人
AppleCare+や、キャリアの補償サービスの加入条件を満たしておらず加入できないという人は、保険会社系のスマホ保険を確認してみてほしい。
保険会社系のスマホ用保険も、もちろん加入条件はある。しかし中古携帯ショップで購入した端末や、ネットオークションなどで購入した端末であっても加入出来る可能性がある。
複数のデバイスをまとめて加入したい人
保険会社系のスマホ保険は、コストがあまりかからないので、複数台のデバイスをまとめて加入する場合には非常におすすめ。
中でも、さくら少額短期保険株式会社が提供している「モバイル保険」が一番のおすすめだ。
モバイル保険なら、最大3台までのデバイスを登録できて、なんと月額700円。年間最大10万円まで補償してくれるコスパの良い保険となっている。
モバイル保険の評判や口コミについては、「モバイル保険の評判や口コミを徹底調査!デメリットも詳しく解説」で詳しく解説しているので、ぜひ読んでみてほしい。
まとめ
近年では、iPhoneはかなり高額なスマホになってきている。
そして修理代も驚くほど高額になってきているので、多くのiPhoneユーザーにとって何らかの保険に加入しておく事は、必要不可欠な時代となっていると言えるかもしれない。
水没や落下などによる故障に対する最低限の対策として、防水・耐衝撃のケースを装着するという事は重要だが、なかなか予防策を講じれない場合もあるだろう。
なのでそういった場合には、スマホ保険への加入を検討してみてはどうだろうか。