「iPhoneを海水に落としてしまった!」
「海水がかかってしまった!」
「応急処置方法は?」
今回は、このような疑問を解決していこうと思う。
本記事では、元iPhone修理店社長の筆者が以下の内容について詳しく解説していく。
この記事を読めば、iPhoneを海水に落としてしまった場合でも、慌てず適切な対処を行う事が出来るようになるだろう。
iPhoneの海水によるトラブルで、「適切な対処法を知りたい!」「不安を解消したい!」という人は、ぜひ最後まで読んでみてほしい。
耐水性のあるiPhoneなら海水に落としても大丈夫?
iPhoneの耐水性能は、大幅に向上してきている。
しかし理解しておかなければならない事は、iPhoneは耐水性はあるが防水ではないという事。
つまり、いくら耐水性能が向上しているといっても、iPhoneを水没から完全に防いでくれるというわけではないのだ。
従って、最新モデルのiPhoneであっても水没してしまう可能性は十分にある。
以下の表では、iPhoneのモデル別耐水性能が確認できるので、ぜひ参考にしてみてほしい。
機種 | 耐水性能 |
---|---|
iPhone12シリーズ以降 | IP68 等級 【深さ 6 m まで、最長 30 分間】 |
iPhone11Pro(Max) | IP68 等級 【深さ 4 m まで、最長 30 分間】 |
iPhone11・Xs(Max) | IP68 等級 【深さ 2 m まで、最長 30 分間】 |
iPhoneSE2&3 iPhoneX&XR iPhone8(Plus)iPhone7(Plus) | IP67 等級 【深さ 1 m まで、最長 30 分間】 |
iPhone6s以前 | 耐水性なし |
iPhoneを海水に落とした時の水没チェック方法
iPhoneを海水に落下させてしまった時などは、水没させてしまったかどうか不安になるのは当然の事だ。
そこでここでは、自分でできるiPhone水没チェック方法を解説していく。
以下の3つの方法で、水没の有無をある程度確認する事が出来るので、ぜひ参考にしてほしい。
1.液体侵入インジケータ(LCI)の色を確認
iPhoneのSIMトレイを取り出すと、内部にLCIを確認する事ができる。
LCIは、通常は白色又はシルバーだが、水没時には赤く変色する。
LCIの色を確認するには、狭い隙間から暗い内部を覗き込まなければならない。確認しづらい場合は、ライトや拡大鏡を使うと良いだろう。
因みにLCIが赤くなっていた場合は、異常なく普通に使えているとしても水没確定となり、1年間のハードウェア限定保証対象外となる。又、買取店でも減額対象となってしまうことが一般的だ。
2.動作や表示に異常がないか確認
iPhoneが水没すると、動作や液晶の表示に異常が現れる場合がある。
例えば、「画面に線が入る」「画面が映らない」「表示が乱れる」といった液晶表示不良や、「フリーズする」「勝手に再起動する」「アプリが落ちる」などの動作不良など。
その他、カメラやスピーカー・マイクなどに異常が現れたり、充電出来なくなったりする事もある。
iPhoneを海水に落としてから、正常時とは異なる何らかの症状が現れた場合は水没している可能性が高いので、すぐに修理店で見てもらう事をおすすめする。
3.本体が熱くなっていないか確認
本体が異常に熱くなる場合、それは水没による症状かもしれない。
いつもより明らかに本体が熱いと感じる場合、そのまま使い続ける事は絶対に避けた方が良い。
発火の危険性もゼロとは言えないので、すぐに修理店に出すようにしてほしい。
以上、自分ですぐに出来るiPhoneの水没チェック方法を3つ紹介した。
但し、これらはあくまで簡易的なチェック方法ではあるので、水没の疑いがあるなら電源を切って使用を中止し、迷わず修理店で内部まで細かく見てもらった方が良いだろう。
やっちゃダメ!iPhone内部に海水が侵入した時の注意点
ここからは、iPhone内部に海水が侵入してしまった(又はその疑いがある)時、慌ててやってしまいがちだけど、実はやってはいけない3つの注意点を解説していくので、必ず確認してほしい。
1.電源を入れる・充電する
iPhone内部に海水が侵入した場合(又はその疑いがある場合)には、電源をつけたり、充電する事は絶対にやめよう。ショートにより症状が悪化してしまい、復旧が出来なくなってしまうかもしれない。
2.適切でない応急処置をする
iPhoneを海水に落としてしまった時には、すぐに適切な応急処置を行うべきだが、適切ではない応急処置をしてしまうと逆効果となり得る。
以下のような応急処置は、症状を悪化させてしまうかもしれないので避けるようにしよう。
- 本体を振って海水を出そうとする
- ドライヤーで乾かす
- 電子レンジに入れる
- 自分で分解する
- 真水でジャブジャブ洗う
適切な応急処置については、本記事でこの後紹介する方法を参考にしてほしい。
3.そのまま使い続ける
とくに異常が見られないからといって、海水が内部に侵入した(或いはその疑いがある)iPhoneを、そのまま使い続ける事は、決しておすすめできない。
なぜなら、海水は真水とは違い、塩分や汚れなどが多く混じっているため、たとえすぐに異常が見られなくても、iPhone内部に塩分や汚れが残ってしまい、サビや腐食の原因となって、しばらく経ってから様々な症状を引き起こす場合があるからだ。
海水での水没を放置しておくと、内部で腐食が徐々に進行し、ある日突然電源が入らなくなり、その時にはもはや復旧不可能な状態になっている、なんて事になってしまうかもしれない。
手遅れになる前に、出来るだけ早めに修理店で見てもらうようにしよう。
iPhone内部に海水が侵入した時の応急処置方法
iPhone内部に海水が侵入してしまった場合は、以下の応急処置方法3ステップを、出来るだけ早く行うようにしよう。
海水での水没は、時間が経てば経つほど症状が悪化していってしまう危険性があるので、時間との勝負とも言えるだろう。
Step1.電源を切る
iPhone内部に海水が侵入している状態で電源を入れてしまうと、ショートしてしまう危険性がある。
その為、電源が付いているのであればすぐに電源を切るようにしよう。
又、海水に落とした直後に電源が勝手に切れたという場合には、電源をつけようとしないように気をつけた方がいい。
Step2.真水で軽く洗う
iPhoneの内部に海水が侵入してしまった場合、(もちろん電源は切った状態で)真水で軽く海水を洗い流すようにしよう。
ここでのポイントは、あくまで軽く水洗いするという事。
自分で内部まで真水を入れてジャブジャブ洗おうとする事は避けた方が良いだろう。
なぜなら、中途半端に内部の水洗いをしても、内部に侵入した塩分や汚れを完全に取りきる事はできない。それどころか、iPhone内部でさらに塩分などを拡散してしまい、症状を悪化させてしまう可能性があるからだ。
Step3.修理店に出す
電源を切り、本体を軽く真水で洗ったら、タオルなどで十分に水分を拭き取り、早急に修理店に出すようにしよう。
但し、海水で水没したiPhoneの修理が出来る修理店はそれほど多くはない。
依頼する修理店は、iPhone海水没修理の経験が豊富なお店を選ぶべきだが、明らかに高額な料金設定をしている業者は避けた方が良い。
筆者おすすめの水没修理業者は、「元修理店経営者が選ぶ!おすすめのiPhoneデータ復旧業者2選」で紹介しているが、海水での水没修理であれば、とくにおすすめなのが【FIREBIRD】だ。
【FIREBIRD】は、海水で水没したiPhoneの修理経験が豊富。修理料金も適正価格で安心だ。
iPhoneの海水トラブルに関するQ&A
ここでは、iPhoneの海水トラブルに関する以下の質問に答えていく。
それでは、一つずつ見ていこう。
海水がかかっただけなら、そのまま使ってても大丈夫?
iPhoneに海水がかかっただけでも、内部に水が侵入している可能性がある。
なので、そのまま使っていると、突然何らかの異常な症状が発生するかもしれない。
既に本記事で紹介した通り、iPhone7以降のモデルは耐水性能があり、水が本体内部に侵入しづらくなっている。しかしそれは、内部に入った水が外に排出されづらいという事を同時に意味している。
本体に海水がかかった場合、すぐに異常が見られなくても、まずは電源を切り、真水で海水を軽く洗い流したら、水分を完全に拭き取って水没チェックをしてみよう。
水没チェックの時点で「水没してるかも!」と思った場合には、すぐに修理店に相談する事をおすすめする。
海水に落としたら充電出来なくなった!
海水に落としたiPhoneを充電するのは絶対にやめておこう。
真水による水没であるなら、完全に乾燥させた後に電源を入れたり、充電を試す事は可能だと言える。しかし海水での水没は、真水による水没よりも遥かに深刻な状況と言えるので、電源を入れる事も充電をする事もやめて、適切な応急処置を行った後すぐに修理店に出すようにしよう。
iPhoneを海に落として紛失した時の保証は?
iPhoneの紛失時に保証してもらえる保険は多くないのだが、AppleCare+の盗難・紛失プランに加入しているなら、保証の対象となる。
又、AppleCare+以外のスマホ用保険でも、「MYSURANCE」であれば、iPhone紛失時に補償してもらえるプランがある。
MYSURANCEについて詳しくは、「【必見】中古iPhoneでも加入可能なおすすめスマホ保険4選」で紹介しているので、興味があればぜひ読んでみてほしい。
iPhoneの海水トラブルに関するまとめ
今回は、iPhoneの海水トラブルに関する内容を解説してきたが如何だっただろうか。
海水による水没は、真水による水没とは深刻度が全く違う。
海水に含まれている塩分や汚れなどが、後になって本体内部を侵食する原因となるので、出来るだけ早めに修理店に相談、或いは修理依頼するべき。
しかし一度水没させてしまったiPhoneは、専門業者で修理をしてもらったとしても、その後いつ故障してしまうかは分からない。
なので水没修理後には、自動バックアップの設定をオンにしておく、或いは手動で頻繁にバックアップを取るようにするなどの対策が必要だ。資金的余裕があるなら、買い替えを検討するのが得策と言えるだろう。