家のWi-Fiに、iPhoneだけがつながらない。設定を開くとネットワーク名は見えているのに、タップしても接続されない。あるいは接続はしているのに「インターネット未接続」と出て、ページが開かない。
結論から書く。iPhoneがWi-Fiにつながらないときは、iPhoneの設定、ルーター、iPhone本体の順に確かめると原因を絞れる。 本体の故障を疑うのは最後でよい。
Appleのサポートも、設定を見直し、ルーターを確かめ、それでも直らなければネットワーク設定をリセットする、という順番で案内している(Apple「iPhoneやiPadでWi-Fiに接続できない場合」)。
この記事では、その順番に沿って確かめる場所と、修理を考えたほうがよい症状を示す。修理店を経営していた筆者の立場から言えば、修理に出す前に自分で確かめられることは多い。
まず、つながらないのはiPhoneだけか
最初に見るのは、同じWi-Fiにほかの機器がつながるかどうかである。ここで、原因がiPhone側にあるのかルーター側にあるのかが分かれる。
Appleは「同じWi-Fiネットワークにほかのデバイスで接続できる場合、ルーターとネットワークは正常に機能しています」と書いている。家族のスマホやパソコンで試してから、次の表で読む章を決めてほしい。
| 状況 | 疑う場所 | 読む章 |
|---|---|---|
| iPhoneだけがつながらない | iPhoneの設定 | iPhoneの設定で確かめること |
| ほかの機器もつながらない | ルーター・回線 | ルーター側で確かめること |
| 特定の場所のWi-Fiだけつながらない | そのネットワークとの相性 | 特定のWi-Fiだけにつながらないとき |
| どこのWi-Fiにもつながらない | iPhone本体 | 修理を考えたほうがよい症状 |
どの行に当てはまるかで、確かめる場所が絞れる。
iPhoneの設定で確かめること
iPhoneだけがつながらないなら、まず設定を見直す。次の4つは数分で確かめられる。
Wi-Fiがオンで、正しいネットワークを選んでいるか
- 「設定」を開く
- 「Wi-Fi」をタップし、オンになっていることを確かめる
- つなぎたいネットワーク名をタップする
ネットワーク名の横に青いチェックマークが付けば、接続できている。似た名前のネットワークが並んでいるときは、ルーターに設定されている名前と見比べてほしい。
機内モードがオフになっているか
Appleは、それでも接続できない場合に「機内モード」がオフになっていることを確かめるよう案内している。「設定」を開き、上のほうにある「機内モード」がオンになっていないかを見ればよい。
「接続アシスト」をいったんオフにする
「接続アシスト」は、Wi-Fiが遅いときや使えないときに、モバイルデータ通信も使って接続を補う機能である。以前は「モバイル通信」の設定にあった「Wi-Fiアシスト」の後継で、新しいiOSでは「Wi-Fi」の設定の中に表示される(Apple「接続アシストについて」)。
Appleは、Wi-Fiの設定を確かめる手順の中で、接続アシストがオフになっていることを確かめるよう書いている。オンのままだと、Wi-Fiの調子が悪いときにモバイルデータ通信で補われるため、Wi-Fiそのものがつながっているのかが分かりにくい。 確かめ終わったら、元の設定に戻してよい。
VPNやセキュリティアプリを入れていないか
VPNアプリやセキュリティアプリを入れている場合、Appleはいったんアンインストールし、iPhoneを再起動してからWi-Fiの接続を試すよう案内している。
それで直るがそのアプリを使い続けたい場合は、アプリの提供元に問い合わせることになる。会社から入れるよう指示されたアプリなら、勝手に消さずに管理者に相談してほしい。
特定のWi-Fiだけにつながらないとき
家ではつながるのに職場ではつながらない、というように特定のネットワークだけで起きるなら、そのネットワークの設定を作り直すのが早い。
ネットワークの設定を削除して、つなぎ直す
手順はAppleのユーザガイドに載っている(Apple「iPhoneのWi-Fi設定を管理する」)。
- 「設定」→「Wi-Fi」を開く
- ネットワーク名の横にある「i」のボタンをタップする
- 「このネットワーク設定を削除」をタップする
- もう一度ネットワーク名をタップし、パスワードを入力する
パスワードを入れ直すことになるので、先にルーターのパスワードを手元に用意しておいてほしい。
プライベートWi-Fiアドレスを確かめる
iPhoneは、Wi-Fiのネットワークごとに異なるアドレスを使って自分を識別する。プライバシーを守るための機能で、「プライベートWi-Fiアドレス」と呼ばれる。
Appleは、この機能を使ったままWi-Fiに接続できない場合は、最新のソフトウェアアップデートを入れてから試し直し、そのうえでこの機能を無効にするかどうかを判断するよう案内している(Apple「Apple製デバイスでプライベートWi-Fiアドレスを使う」)。会社などの組織のWi-Fiでは、セキュリティの設定によってプライベートアドレスが機能しない場合があるとも書いている。
- 「設定」→「Wi-Fi」を開く
- ネットワーク名の横にある「i」のボタンをタップする
- 「プライベートWi-Fiアドレス」を開き、「オフ」「固定」「ローテーション」から選ぶ
iOS 18より前のiPhoneでは、選択肢ではなくオンとオフの切り替えになっている。職場や学校のWi-Fiなら、変える前に管理者に確かめてほしい。
ルーター側で確かめること
ほかの機器もつながらないなら、iPhoneではなくルーターか回線の側を見る。Appleが挙げている確認は次の4つである。
- ルーターの電源が入っていて、iPhoneが電波の届く範囲にいるか
- ルーターのファームウェアが最新で、iPhoneに対応しているか
- ルーターが複数の周波数に対応しているなら、別の周波数につないでみたか(2.4GHzではなく5GHzに接続するなど)
- ルーターとケーブルモデムを再起動したか
再起動は、電源コードをいったん抜いてから差し直せばよい。Appleは、これでネットワーク接続が更新され、軽い問題なら解決する場合があると書いている。
どの機器でもつながらない状態が続くなら、iPhoneをいじる前に回線の契約先に問い合わせたほうが早い。 Appleも、ほかの機器でもインターネットにつながらない場合はサービスが一時停止している可能性があるとして、プロバイダへの問い合わせを案内している。
最後の手段は、ネットワーク設定のリセット
ここまでで直らないときに試すのが、ネットワーク設定のリセットである。効果はあるが、消えるものも多いので最後に回す。
- 「設定」を開き、「一般」をタップする
- 「転送または[デバイス]をリセット」をタップする
- 「リセット」をタップする
- 「ネットワーク設定をリセット」をタップする
Appleによると、これですべてのWi-Fiネットワークとパスワード、モバイルデータ通信の設定、VPNやAPNの設定がリセットされる。家や職場のWi-Fiのパスワードを入れ直すことになるので、手元にそろえてから実行してほしい。 学校や職場がネットワークを設定している場合は、リセットの前に管理者に相談するよう、Appleは案内している。
修理を考えたほうがよい症状
設定とルーターを確かめても直らないとき、本体の故障を疑う段階に入る。目安は次の3つである。
- 家でも外でも、どこのWi-Fiにもつながらない
- 「Wi-Fi」の項目が灰色になっていて、再起動しても押せないまま
- ネットワーク設定をリセットしても状態が変わらない
Appleは、別の場所のWi-Fiも試し、どのネットワークにも接続できない場合はAppleに問い合わせるよう案内している。Wi-Fiの設定が灰色になっている場合については、まず再起動するよう書いている。
水に濡らした心当たりがあるなら、Wi-Fiの不調だけを見ていても解決しない。iPhoneが水没したときの対処を先に読んでほしい。
なお、Wi-Fiではなく電話の電波が入らない場合は、確かめる場所が違う。iPhoneの圏外が治らないときにまとめてある。
よくある質問
Wi-Fiにはつながっているのに、インターネットが使えないのはなぜか
Wi-Fiにはつながっていても、ルーターやその先の回線に問題があるとインターネットは使えない。Appleは、「インターネット未接続」と表示される場合はルーターとネットワーク設定を確かめ、別の機器でもつながらなければプロバイダに問い合わせるよう案内している。
ネットワーク設定をリセットすると、写真やアプリも消えるか
Appleがリセットの対象として挙げているのは、Wi-Fiのネットワークとパスワード、モバイルデータ通信の設定、VPNとAPNの設定である。写真やアプリはこの一覧に入っていない。ただしWi-Fiのパスワードは入れ直しになる。
2.4GHzと5GHzは、どちらにつなげばよいか
どちらがよいかは環境で変わるので、つながらないほうを避けて試すのが早い。Appleは、ルーターが複数の周波数に対応している場合は、別の周波数に接続してみるよう案内している。
外ではつながるのに、家のWi-Fiだけつながらない
iPhone本体ではなく、家のルーターか、そのネットワークの設定を疑ってよい。ほかの機器がつながるかを確かめ、つながるならネットワークの設定を削除してつなぎ直す。ほかの機器もつながらないならルーターを再起動する。
まとめ
iPhoneがWi-Fiにつながらないときは、まずほかの機器がつながるかを確かめ、原因がiPhone側かルーター側かを分ける。iPhone側なら、Wi-Fiと機内モード、接続アシスト、VPNなどのアプリを順に見直す。
特定のWi-Fiだけで起きるなら、そのネットワークの設定を削除してつなぎ直し、必要ならプライベートWi-Fiアドレスを確かめる。ルーター側なら、電源と距離、周波数、再起動を試す。
どこのWi-Fiにもつながらない、灰色のまま押せないという状態は、設定では直らない段階である。 ネットワーク設定のリセットを最後に試し、それでも変わらなければ修理を相談してほしい。



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