iPhoneの低速充電を解除するには|表示が出る条件と見直す順番

iPhoneの低速充電を解除するには|表示が出る条件と見直す順番

「寝る前に充電しようとしたら、ロック画面に低速充電と出ていた。壊れたのだろうか……」
「ケーブルは純正なのに、なぜ低速と言われるのか」
「この表示は、設定でオフにできないのだろうか」

iPhoneの低速充電を解除したい、という相談である。

結論から書く。低速充電は、ワット数がより高い充電器を使えば充電を改善できる可能性があるとき、iOSが出すメッセージである。Appleの「iPhoneの充電速度について」には、このメッセージを消す設定は書かれていない。そのため、解除するには、メッセージが出る条件のほうを変えることになる。

ただし、充電器を替えても消えない場合がある。Appleは、MagSafeバッテリーパックを使用する場合は「低速充電」というメッセージが表示される、とも書いている(Apple「iPhoneの充電速度について」)。この場合に表示を消す方法は、そのページには見つからなかった。

修理店を経営していた筆者の立場から言えば、この表示を見て避けたいのは、バッテリーの故障と決めてしまうことだ。先に充電器と使い方の条件を見たほうがよい。この記事で扱うのは、次の3つである。

  • 低速充電の表示の意味と、似た表示との違い
  • 表示が出る条件と、解除のために見直す順番
  • 見直しても消えないときの考え方

読み終えると、自分のiPhoneで何を変えればよいかを判断できる材料が揃う。

読みたい場所へジャンプ

「低速充電」の表示は、何を知らせているのか

「低速充電」は、ワット数がより高い充電器を使うと充電を改善できる可能性があるときに、iOSが出すメッセージである。Appleによると、iOS 18以降で、ロック画面に表示される。「設定」を開いて「バッテリー」をタップしても、同じメッセージが表示される(Apple「iPhoneの充電速度について」)。

Appleは、これはiPhoneや充電器に問題があるという意味ではない、と書いている。情報ボタンをタップすると、詳細を確認できる。

似た表示がほかにもある。下の表のうち、解除を考えるのは1行目の「低速充電」だけである。

表示 Appleの説明 出る場所
低速充電 ワット数がより高い充電器で充電を改善できる可能性がある。iPhoneや充電器に問題があるという意味ではない ロック画面、「設定」の「バッテリー」
充電保留中 高温または低温になりすぎて、充電が保留になっている。通常の温度に戻ると再開される ロック画面、「設定」の「バッテリー」
Incompatible Charger(対応していない充電器) iOS 26で、接続されているけれども充電していない充電器を検出したときに出る 「設定」の「バッテリー」
アクセサリはサポートされていない/認定されていない ポートの汚れや破損、アクセサリの不具合、充電用に設計されていないUSB充電器などが理由に考えられる 警告として表示

2行目の「充電保留中」は、熱や寒さで充電が止まる表示で、仕組みが違う。80%で止まる場合も含めて、iPhoneの充電が100%にならない原因|80%止まりの3つの仕様に書いた。

低速充電が出る条件は、Appleのページで何が分かるか

Appleのページに、メッセージが出るワット数の線引きは書かれていない。書かれているのは、充電に予想以上に時間がかかる条件と、充電を速くする方法である。

7.5W以下や10W未満という数字は、時間がかかる例として挙げられたものだ。表示が出る基準と読むことはできない。

充電器とケーブルの条件

Appleが、充電に予想以上に時間がかかることがある例として挙げているのは、次の2つである(Apple「iPhoneの充電速度について」)。

  • 7.5W以下の有線充電器
  • 10W未満のワイヤレス充電器(Qi1対応の充電器など)

ポートが複数ある充電器や、ほかのデバイスにつながっているコンピュータ、USBハブで充電する場合は、最大出力が低下する可能性がある。35WデュアルUSB-Cポート搭載電源アダプタが、Appleの挙げる例だ。USBハブや車内の充電ポートも、専用のUSB-C充電器より時間がかかることがある。

USB-Aの充電器にも注意が要る。USB-A充電器でiPhone 15以降のモデルを充電すると、最大7.5Wで充電される。

充電中の使い方の条件

充電が遅くなる使い方として、Appleは次の3つを挙げている。

  • ワイヤレスで充電している状態で、USB-CアクセサリやLightningアクセサリ(ヘッドフォンなど)を接続したとき。システムによって充電が7.5Wに制限される
  • グラフィックスやプロセッサへの負荷が高いアプリ、ゲーム、カメラアプリなどの機能を使うとき
  • 高品質のビデオをストリーミングするとき(特にディスプレイの輝度を最大にして使っている場合)

Appleは、これらとメッセージの関係までは書いていない。ただ、メッセージが出た場面に当てはまるものがあれば、見直しの対象に入れてよい。この読み方は筆者のものだ。

低速充電を解除するために、見直す順番

メッセージは、充電の条件を変えたあとに消えたかで確かめるのが早い。次の順に1つずつ変えて、そのたびに「設定」の「バッテリー」を開く進め方を勧める。順番と、1つずつ変える進め方は筆者の考えで、Appleの手順ではない。

  1. 「設定」の「バッテリー」で、今の表示を確かめる。情報ボタンの詳細も読む
  2. 充電器のワット数を見る。Appleは、アダプタの上部または底部に記載のワット数を確認するよう案内している。7.5W以下なら、最初の候補になる
  3. 有線なら、規格をそろえる。iPhone 15以降はUSB-C Power Deliveryに対応する充電器とUSB-Cケーブル、iPhone 14以前はUSB-C – Lightningケーブルを使う
  4. ワイヤレスなら、MagSafe充電器かQi2対応のワイヤレス充電器を使い、有線のアクセサリを外す
  5. ポートが複数ある充電器、USBハブ、車内のポートで充電していたら、専用のUSB-C充電器につなぎ直す
  6. 充電中は、負荷の高いアプリや動画を止める。iPhoneと充電器は、涼しい場所に置く
  7. それでも出るときは、ケーブルとアダプタの損傷、充電ポートの異物を見て、iPhoneを再起動する

必要なワット数は、機種で違う。Appleの「iPhoneを高速充電する」には、iPhone 17、iPhone 17 Pro、iPhone 17 Pro Maxは40W以上のアダプタで約20分で最大50%まで、iPhone 17eとiPhone Airは20W以上のアダプタで約30分で最大50%まで充電できる、と書かれている(Apple「iPhoneを高速充電する」)。以前のモデルでは、Apple 18W以上のUSB-C電源アダプタか、USB-PDに対応する同等の他社製アダプタが挙げられている。自分の機種の記載を読んで、選ぶ目安にする。

iOS 26なら、「設定」の「バッテリー」で、充電に必要な推定時間を確認できる(Apple「iPhoneの充電速度について」)。充電器を替える前と後で、この時間を比べると、変わったかどうかが分かる。

手順7は、Appleの充電されない場合の案内に沿っている。Appleは、断線や端子が曲がっているなど、損傷の兆候がある充電ケーブルやUSBアダプタを使わないよう案内している(Apple「iPhoneやiPod touchが充電されない場合」)。

替えても消えないときに、疑うこと

充電器を替えても表示が消えないときは、次の場面を疑う。

MagSafeバッテリーパックを使っているとき

Appleは、MagSafeバッテリーパックを使用する場合は「低速充電」というメッセージが表示される、と書いている。このページに、表示を消す方法は見つからなかった。

筆者なら、バッテリーパックで出る表示と、壁のコンセントの充電器につないだときの表示を分けて見る。コンセント側でも出るなら、前の節の順番に戻る。

充電が止まっているとき

表示が「充電保留中」なら、低速充電とは別の話になる。Appleは、デバイスが高温または低温になりすぎた場合に充電が保留になり、通常の温度に戻ると再開されると書いている(Apple「iPhoneやiPadに「充電保留中」という通知が表示される場合」)。表示と仕組みの違いは、前の節の表にまとめた。

ケーブルや充電ポートが傷んでいるとき

ケーブルを替えても遅い、またはポートに異物が見えるときは、ここを疑う。Appleは、充電ポートに異物があれば取り除き、ケーブルをしっかり差し込むよう案内している。ポートの掃除は、iPhone充電口の掃除方法|安全な道具の選び方とNG行為を解説で扱った。

別のケーブルと充電器でも変わらないなら、診断を受ける段階だ。Appleは、充電されない場合の手順を一通り試しても、電源が入らない、または充電されないままなら、修理サービスが必要な場合があると書いている。これは充電そのものができない場合の案内で、遅いだけの場合の基準は書かれていない。症状ごとの原因は、iPhoneの充電が遅い原因と対処法にも書いた。

検索で見かける「解除」の手順は、どう扱うか

2026年11月5日に確かめた検索結果の上位には、「バッテリー充電の最適化」をオフにする、ネットワーク設定をリセットする、といった手順を挙げる解説があった。Appleの「iPhoneの充電速度について」には、これらを低速充電のメッセージを消す手順として書いた箇所は見つからなかった。

バッテリー充電の最適化について、Appleは別のページで説明している。毎日の充電の傾向を把握して、80パーセントまで充電したら、iPhoneを使い始める直前までその後の充電を保留する機能だという(Apple「iPhoneやiPod touchが充電されない場合」)。これは80%で止まる話で、低速充電のメッセージとは別の項目だ。

これらの手順でメッセージが消えるかは、Appleの案内では確かめられなかった。そのため、この記事の見直しの順番には入れていない。試すとしても、効果が確かめられていない仮説として扱い、データが消える操作は後回しにする。

よくある質問

低速充電と出たまま使い続けてよいか

Appleは、このメッセージがiPhoneや充電器に問題があるという意味ではない、と書いている。使い続けてよいかは、充電が必要な時間に間に合うかで決めればよい。間に合わないなら、見直しの順番を試す。

USB-Aの充電器でも充電できるか

充電はできる。Appleによると、USB-A充電器でiPhone 15以降のモデルを充電する場合は、最大7.5Wで充電される。速さを求めるなら、USB-Cの充電器に替える。

何ワットの充電器にすれば、低速充電は消えるか

Appleのページに、消えるワット数は書かれていない。機種ごとの目安は、「iPhoneを高速充電する」にある。替えたあとは、「設定」の「バッテリー」で表示が消えたかを確かめる。

ワイヤレス充電器で出るのはなぜか

Appleのページに、理由を1つに絞った説明はない。Appleが時間がかかる例として挙げているのは、10W未満のワイヤレス充電器だ。高速ワイヤレス充電には、MagSafe充電器かQi2対応のワイヤレス充電器を使う。ワイヤレス中に有線アクセサリを接続していないかも見る。ワイヤレスで充電できない場合は、iPhoneのワイヤレス充電ができない原因と対処法が参考になる。

「Incompatible Charger」と出たら、どうするか

iOS 26で、接続されているのに充電していない充電器を検出したときの表示である。低速充電とは違い、充電が進んでいない状態を指す。充電されない場合の手順は、iPhoneが充電できない・充電マークがつかない原因と対処法にまとめた。

まとめ

iPhoneの「低速充電」は、ワット数がより高い充電器で充電を改善できる可能性があるときに出るメッセージで、Appleは故障の知らせとは書いていない。解除するには、充電器のワット数、ケーブルと規格、ワイヤレスなら置き方と有線アクセサリ、充電中の使い方の順に、1つずつ変えて確かめる。

MagSafeバッテリーパックのように、使えば表示が出る組み合わせもある。 見直しても消えず、別のケーブルと充電器でも充電が遅いなら、診断を受ける段階だ。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

みっつーのアバター みっつー 元Apple製品買取販売&修理店社長

Apple製品買取販売&修理店を2012年から10年以上運営→7店舗まで拡大した実績あり→1店舗の最高年間売上1億4千万円達成→事業譲渡→現在はフリーランスとして活動中

▼取得済試験
・スマートフォン・モバイル実務検定試験
・モバイル技術基礎検定試験

読みたい場所へジャンプ