「ソフトウェアアップデートを開いたら『アップデートを確認できません』と出て、先に進めない」
「『ダウンロードしてインストール』を押してから、1時間たっても終わらない……」
「アップデートの途中で、Appleのロゴと白い棒のまま動かない。このまま待っていいのか分からない」
iPhoneのアップデートができなくて、待てばよいのか、何かを直すのかを知りたい、という相談である。
結論から書く。アップデートができないときは、画面に出ている表示を見ると、足りていないものを見分けられる。Appleは、iPhoneのアップデートには、対応するデバイス、インターネット接続、十分な空き容量が必要で、デバイスを電源に接続しておいたほうがよいと書いている(Apple「iPhoneやiPadがアップデートされない場合」)。
同じページは、ワイヤレスでアップデートできない理由として、次の5つを挙げている。この記事では、この5つを画面の表示ごとに分けて、確かめる順に並べた。
- デバイスが最新のソフトウェアに対応していない
- デバイスの空き容量が不足している
- アップデートのダウンロードに予想以上の時間がかかる
- デバイスからアップデートサーバに接続できない
- アップデートが終わらない
修理店を経営していた筆者の立場から言えば、アップデートが進まないときに避けたいのは、待つ段階なのか止まっている段階なのかを分ける前に、強制的な操作や復元に進んでしまうことである。Appleは、復元を選ぶとiOSが再インストールされ、すべてのデータが消去されると書いている。
まず、どの表示が出ているかで見分ける
最初の一手は、画面に出ている表示を読むことである。次の表の上から順に、当てはまるものを選ぶ。疑うものはAppleが書いている理由で、表示とのひもづけは筆者の整理である。
| 画面の表示 | 疑うもの |
|---|---|
| 「ソフトウェアアップデート」に、新しいバージョンが出ない | 機種が対応しているか |
| 容量が足りないという確認が出る | 空き容量 |
| 「アップデートを確認できません」「ダウンロードできません」と出る | 通信、アップデートサーバへの接続 |
| ダウンロードが進まない | 回線の速さ、ほかのダウンロード |
| インストール中に、Appleのロゴと進行状況バーが出ている | アップデートが終わっていない |
| Appleのロゴだけで進行状況バーが出ない、「コンピュータに接続」の画面が出る | リカバリモードが要る状態 |
どの表示か決まらないときは、「設定」の「一般」から「ソフトウェアアップデート」を開く。Appleによると、この画面には、現在インストールされているiOSのバージョンと、アップデートが提供されているかどうかが表示される(Apple「iPhoneやiPadをアップデートする」)。その画面の文言を、そのまま控えておくと、あとの確認が早い。
新しいバージョンが出ないなら、対応機種を確かめる
新しいバージョンが出ないのは、そのiPhoneが対象に入っていないだけの場合がある。AppleのiPhoneユーザガイドは、iOS 27.2に対応するモデルを、iPhone 11から始まる一覧で示している(Apple「iOS 27に対応しているiPhoneのモデル」)。iPhone SE(第2世代)とiPhone SE(第3世代)も、この一覧にある。
自分のiPhoneのモデルは、「設定」の「一般」から「情報」をタップして調べる。
対象外の機種の読み方も、Appleのセキュリティリリースの一覧から分かる。2026年11月5日に確かめた範囲では、iOS 27の行の対象はiPhone 11以降で、iOS 18.7.11の行の対象はiPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XRと書かれている(Apple「Appleのセキュリティリリース」)。
iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XRがiOS 27に進めないことを、Appleが1文で書いているわけではない。一覧の行から読んだ筆者の整理である。
対応機種なのにアップデートが出ないときは、コンピュータを使う方法がある。Appleは、デバイスにアップデートが表示されない場合は、コンピュータを使ってアップデートできると案内している。手順は、あとの「コンピュータで更新する」の節に書いた。
容量が足りないと出るなら、空き容量を作る
容量が足りないと出たときは、「ストレージ」の「おすすめ」から空き容量を作る。Appleによると、デバイスは、個人情報を削除することなく、アプリのデータを一時的に削除して空き容量を確保できる(Apple「iPhoneやiPadがアップデートされない場合」)。
手順は、Appleの容量不足のページでは次のとおりである(Apple「iPhone、iPad、iPod touchをアップデートするには空き容量が不足している場合」)。「[デバイス]ストレージ」は、Appleがデバイスの種類をこう書いている。
- 「設定」を開く
- 「一般」をタップする
- 「[デバイス]ストレージ」をタップする
- スクロールして「おすすめ」を表示し、ヒントを確認する
- 「有効にする」か、その節約法をタップして、削除できるコンテンツを確認する
おすすめに従っても足りないときは、アプリを選んで、取り除くか削除する。「アプリを取り除く」は書類やデータをそのまま保管し、「アプリを削除」は関連データも削除する。この違いを知らずに削除を押すと、データが戻らなくなるので、先にこちらを選ぶ。
ストレージのグラフに「その他」や「システムデータ」が出ていても、Appleは、それらについては何もする必要はなく、不要なアプリやコンテンツを削除するか、おすすめに従うよう案内している。
アップデートの途中で、アプリを一時的に削除してよいかを聞かれることもある。Appleによると、「続ける」をタップしてアプリの削除を許可すると、削除されたアプリは、インストールが終わったあとで自動的に再インストールされる。「キャンセル」をタップした場合は、自分でコンテンツを削除して容量を増やす(Apple「iPhoneやiPadをアップデートする」)。
消す前に、バックアップは取っておく。Appleは、アップデートの前にiCloudまたはコンピュータでデバイスをバックアップしておく手順を、先頭に置いている。
「確認できません」「ダウンロードできません」と出るなら、ネットワークを変える
確認やダウンロードの警告は、Appleのページで「アップデートサーバに接続できない場合やアップデートを検証できない場合」の項目に載っている。Appleは、次のアラートを例に挙げている(Apple「iPhoneやiPadがアップデートされない場合」)。
- 「アップデートを確認できません。ソフトウェアアップデートの確認中にエラーが起きました」
- 「アップデートを確認できません。インターネットに接続されていないため、ソフトウェアアップデートを確認できませんでした」
- 「ダウンロードできません。インターネットに接続していないため、このアップデートは利用できません」
- 「ダウンロードできません。このアップデートをダウンロードするにはWi-Fiネットワーク接続が必要です」
Appleの案内の順番は、次のとおりである。
- 同じネットワークを使って、もう一度アップデートする
- それでもアラートが出るなら、別のネットワークを使ってアップデートする
- それでも解決しないなら、Mac、またはiTunesを使ってアップデートする
4つ目のアラートは、Wi-Fiネットワークへの接続を求めている。モバイルデータ通信だけでつないでいるなら、Wi-Fiにつないでから試す。Wi-Fiにつながらない場合は、iPhoneがWi-Fiにつながらない原因|直す順番と故障の見分け方で扱った。
VPNやプロキシで接続していると、デバイスがアップデートサーバにアクセスできないことがある。Appleがそう書いている。VPNを使っているなら、いったん切ってから試す。
一部のソフトウェアアップデートは、ワイヤレスでは行えない、とAppleは書いている。ワイヤレスで何度やっても同じ表示が出るなら、コンピュータを使う段階である。
ダウンロードが遅いなら、待つ前に条件をそろえる
ダウンロードが遅いときは、待つ前に、回線とほかのダウンロードを確かめる。Appleによると、ダウンロードにかかる時間は、アップデートのサイズとインターネットの速度によって異なる(Apple「iPhoneやiPadがアップデートされない場合」)。
高速化の方法として、Appleは次の2つを挙げている。
- Wi-Fiネットワークに接続する
- デバイスをアップデートしている間は、ほかのコンテンツをダウンロードしない
ダウンロード中も、デバイスは使える。インストールの準備が整うと、通知が表示される。そのため、ダウンロードが終わるまで画面を見張る必要はない。
どれくらい待てばよいか、時間の目安は、確かめた範囲のAppleのページには書かれていない。ほかのサイトには「1時間」などと書かれているものもあるが、Appleの根拠ではないので、この記事では目安にしない。
インストールが終わらないなら、電源につないで待ち、動かなければ強制再起動する
インストール中にAppleのロゴと進行状況バーが出ているなら、まず待つ。Appleは、進行状況バーがなかなか進まない、あるいは動いていないように見えることがあるが、デバイスのプロセスを完了させることが重要だと書いている(Apple「iPhone、iPad、iPod touchをアップデートまたは復元した後、Appleのロゴと進行状況バーが表示される」)。
この間にバッテリーが切れると、アップデートが途中で止まる。そのため、ワイヤレスでアップデートするときは、デバイスを電源に接続したままにする。進行状況バーが最後まで進んだあとで、最初に戻ることもある、とAppleは書いている。
「アップデート中」というメッセージが表示されているなら、アップデートはまだ進行中である。待つ時間の数字はAppleのページに無いので、メッセージと進行状況バーが出ているあいだは、強制再起動に進まない。この区切りは、筆者の考えである。
アップデートまたは復元が完了しない場合や、デバイスが反応しない場合は、Appleは、デバイスを強制的に再起動するよう案内している。Face ID搭載のiPhoneの手順は、次のとおりである(Apple「iPhoneの電源が入らない場合や画面が真っ黒な場合」)。
- 音量を上げるボタンを押して、すぐに放す
- 音量を下げるボタンを押して、すぐに放す
- サイドボタンを、Appleロゴが表示されるまで長押しする
ロゴが表示されるまでに、10秒以上かかることがある。ホームボタンのあるiPhoneの手順は、同じAppleのページに、機種ごとに載っている。
強制再起動のあとも、Appleのロゴと進行状況バーが表示されたまま変わらない場合は、修理サービスが必要である可能性がある、とAppleは書いている。
どうしても入らないなら、アップデートを削除して入れ直す
ダウンロードしたアップデートそのものがうまく入っていないなら、削除してもう一度ダウンロードする。Appleは、複数のネットワークで試しても解決しない場合に、アップデートを削除できると案内している。手順は次のとおりである。
- 「設定」を開き、「一般」をタップする
- 「[デバイス]ストレージ」をタップする
- アプリのリストの中から、アップデートを探す
- アップデートをタップして、「アップデートを削除」をタップする
- もう一度、「設定」の「一般」から「ソフトウェアアップデート」をタップして、最新のアップデートをダウンロードする
アプリのリストにアップデートが表示されない場合や、問題が再発する場合は、MacまたはiTunesを使ってデバイスをアップデートする必要がある、とAppleは書いている。
コンピュータで更新する
コンピュータで更新するときは、ケーブルでつないで、アップデートを確認する。Macでは、Finderを使う。Appleの手順は次のとおりである(Apple「FinderでiPhone、iPad、iPod touchをアップデートする」)。
- MacでFinderウインドウを開く
- iPhoneをコンピュータに接続する
- Finderのサイドバーで、iPhoneを選択する
- 「一般」をクリックし、「アップデートを確認」をクリックする
- 「ダウンロードしてアップデート」をクリックし、画面の案内に従う
- 要求されたら、パスコードを入力する
Windowsパソコンや、古いmacOSのMacの場合は、Appleデバイスアプリ、またはiTunesを使う。Appleは、アップデートするデバイスのインターネット共有をMacで使っているなら、Macを別のWi-FiまたはEthernetネットワークに接続するよう案内している。
Appleのロゴだけで進まないなら、リカバリモードを検討する
Appleのロゴが数分間表示されたまま進行状況バーが出ないときや、コンピュータが「リカバリモードであると表示される」ときは、リカバリモードの出番である。Appleは、次のような状況で、リカバリモードを使った復元が必要になる場合があると書いている(Apple「iPhoneやiPod touchをアップデートまたは復元できない場合」)。
- Appleロゴが数分間画面に表示されたままで、進行状況バーが表示されない
- コンピュータでデバイスが認識されない、またはリカバリモードであると表示される
- 「コンピュータに接続」画面が表示される
- デバイスが繰り返し復旧アシスタントを起動するものの、デバイスを復元できない
進行状況バーが数分間にわたって画面に表示されているだけなら、前の節の「待つ」段階である。リカバリモードに進むのは、バーが出ないままロゴが続くときである。
iPhone 8以降(iPhone SE(第2世代以降)を含む)で、リカバリモードにする手順は、次のとおりである。
- iPhoneをUSBケーブルでコンピュータに接続し、Finderを開く
- 音量を上げるボタンを押して、すぐに放す
- 音量を下げるボタンを押して、すぐに放す
- 「コンピュータに接続」画面が表示されるまで、サイドボタンを押し続ける
その後、「アップデート」または「復元」のオプションが表示される。Appleは、まだアップデートを試していない場合は、先にアップデートを選ぶよう書いている。「復元」を選ぶと、iOSが再インストールされ、すべてのデータが消去されるからである。
ソフトウェアのダウンロードに15分以上かかると、「コンピュータに接続」画面が閉じてしまうことがある。その場合は、ダウンロードが終わるのを待ってから、もう一度手順をやり直す。iPhone 7以前のボタンの押し方は、同じAppleのページに載っている。
それでも進まないときは、相談する
リカバリモードでもアップデートも復元もできないときは、修理サービスが必要だと考えられる。Appleは、リカバリモードでデバイスをアップデートまたは復元できない場合と、ボタンが機能しない、または詰まっていてリカバリモードを使えない場合を、修理サービスが必要な状況として挙げている。
相談のときは、次の4つを伝えられるようにしておく。
- 画面に出た文言(警告が出たなら、その全文)
- どの段階で止まったか(確認、ダウンロード、インストール)
- 別のネットワークとコンピュータで試したか
- 空き容量を作ったか
修理に出す前の準備は、iPhoneの修理でデータは消える?出す前にやることにまとめている。
よくある質問
アップデートしないと、iPhoneは使えなくなるのか
使えなくなるとは、確かめた範囲のAppleのページには書かれていない。ただしAppleは、ソフトウェアを常に最新の状態にしておくことが、Apple製品を安全に使うための最も重要な方策の1つだと書いている(Apple「iPhoneやiPadをアップデートする」)。
アップデートで、データは消えるのか
消えない。Appleのユーザガイドは、最新バージョンのiOSにアップデートしても、データと設定は変更されないと書いている(Apple「iPhoneのiOSをアップデートする」)。同じページは、アップデートの前に、バックアップを作るよう案内している。
アップデートの途中でバッテリーが切れたら、どうするのか
電源に接続して、iPhoneの電源を入れ、アップデートまたは復元が完了するのを待つ。Appleがそう案内している。
アップデートしたあとで、前のバージョンに戻せるのか
戻せない。Appleは、iOSのソフトウェアアップデートをインストールした後で、それ以前のバージョンにダウングレードすることはできないと書いている(Apple「Appleのセキュリティリリース」)。入れる前に、バックアップと空き容量を確かめておきたい。
アップデートすれば、ほかの不具合は直るのか
直るとは限らない。Appleは、最新のソフトウェアリリースに、機能、セキュリティアップデート、バグ修正が含まれると書いているが、症状ごとに直るかどうかは書いていない。キーボードが出ない場合の例は、iPhoneのキーボードが出ない原因|つないだ機器と設定の確認で扱った。
まとめ
iPhoneのアップデートができないときは、まず画面の表示を読む。新しいバージョンが出ないなら対応機種、容量の確認が出るなら空き容量、「確認できません」「ダウンロードできません」ならネットワーク、ロゴと進行状況バーが出ているなら電源につないで待つ、の順に確かめる。
待つ段階を過ぎても進まないときは、アップデートを削除して入れ直すか、コンピュータで更新する。 復元はデータを消去するので、バックアップを取り、まだアップデートを試していないなら、先にアップデートを選ぶ。


