iPhoneの画面の焼き付き|残像との違いとAppleの案内の5つの対策

iPhoneの画面の焼き付き|残像との違いとAppleの案内の5つの対策

「画面にうっすらと、前に見ていた画面の跡が残っている。これは焼き付きなのか」
「同じアプリを長く開いていたので、跡が消えない気がする」
「焼き付きは直るのか、それとも修理に出すしかないのか」

画面に跡が残って、焼き付きを疑う、という相談である。

結論から書く。画面に跡が見えても、まず疑うのは焼き付きではなく、数分で消える残像である。

Appleは、残像は一時的で、通常どおりに使っていれば数分で消えると書いている。焼き付きは、高コントラストの同一画像を高輝度で長時間表示し続けた場合など、極端な状況下で起きることがある、という位置づけである(Apple「iPhoneのSuper RetinaディスプレイやSuper Retina XDRディスプレイについて」)。

ただし、このAppleのページには、焼き付きを確かめる手順も、直し方も、修理代も書かれていない。この記事では、Appleが書いていることと、書いていないことを分けて、次の3つを扱う。

  • 残像と焼き付きの違いと、間違えやすいOLEDの見え方
  • Appleの案内にもとづく5つの対策
  • 疑わしいときの進め方と、保証の相談で押さえる点

修理店を経営していた筆者の立場から言えば、焼き付きの相談で避けたいのは、跡が見えた時点で「もう直らない」と決めて、確かめる前に修理や買い替えへ進んでしまうことである。時間をおいて残像かどうかを確かめる順番を決めておけば、その手間は減らせる。

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まず、残像か焼き付きかを分ける

Appleは、残像と焼き付きを別の現象として書き分けている。残像は一時的で、通常どおりに使っていれば数分で消える。焼き付きは、高コントラストの同一画像を高輝度で長時間表示し続けるなど、極端な状況下で起きることがある、というのがAppleの書き方である。

項目 残像 焼き付き
Appleの書き方 一時的 極端な状況下で起きることがある
消えるまで 通常どおり使っていれば数分 元に戻るかどうかは、Appleのページに書かれていない
起きる場面 画面に新しい画像が出たあと、前の画像がかすかに残る 高コントラストの同一画像を高輝度で長時間表示し続けた場合など

手がかりになるのは時間である。画面を切り替えて数分使い、跡が消えるなら、Appleが書いている残像の範囲に収まる。数分たっても同じ形の跡が残るときに、焼き付きを疑う段階になる。

ただし、Appleが書いているのは「残像は数分で消える」ことまでである。数分を超えて残る跡がすべて焼き付きだと、Appleが書いているわけではない。残る跡の原因は、この記事のあとの章で触れるとおり、画面の別の不具合のこともある。

残像も焼き付きも、「画面に新しい画像が表示された後も前の画像がかすかに残って映る」現象として、Appleは同じ文の中で並べている。長く使ううちに起きるようになる場合がある、という書き方である。

焼き付きと間違えやすい、OLEDの見え方

角度で色が変わる、暗くすると少しぼやける、といった見え方は、焼き付きではないことがある。Appleは、OLEDの特性として次の見え方を挙げ、問題ではないとしている。

  • 見る角度を変えると、色味や色合いが若干変化する
  • 黒い背景で明るさを下げると、スクロール中に若干ぼやけたり、色味が変わったりする場合がある

Appleは、これらはOLEDの特性で問題ではない、と書いている。跡の形が動かず、画面のある場所にだけ固定して見えるかどうかが、角度や明るさによる変化と見分けるときの目安になる。この目安はAppleの案内ではなく、筆者の見方である。

もう1つ、画面全体が少し暗くなったと感じる場合がある。Appleは、OLEDやLCDなど、どのディスプレイも経年劣化に伴い、明るさが落ちていく傾向があると書いている。これは消費家電製品にはつきものの現象だという説明で、焼き付きとは別に書かれている。

Appleが書く、焼き付きの条件とiPhone側の備え

焼き付きが起きる条件として、Appleが書いているのは、高コントラストの同一画像を高輝度で長時間表示し続けた場合など、極端な状況下である。普通に使っていて、すぐに起きるものとは書かれていない。

Appleのページが扱っているのは、iPhone X、iPhone XS、iPhone XS MaxのSuper Retinaディスプレイと、iPhone 11 Proモデル以降(iPhone SE(第2および第3世代)を除く)のSuper Retina XDRディスプレイである。いずれもOLEDを採用している。この一覧に入らないiPhoneの焼き付きについては、このページから言えることがない。

iPhone側にも備えがある。Appleによると、個々のピクセルの使用状況を監視してディスプレイの補正データを作り、必要に応じて各ピクセルの輝度レベルを自動的に調整して、焼き付きによる視覚的な影響を抑えている。最新バージョンのiOSでは、長期使用による影響を最小限に抑えるよう設計されているとも書かれている。

こうした備えがあっても、長く使ううちに見え方に若干の変化が出る場合がある、というのがAppleの説明である。変化が出ること自体は、予想されることだとしている。

Appleの案内にもとづく、焼き付きを抑える5つの対策

Appleのページが挙げている対策は、箇条書きで4項目である。この記事では、4項目目の2つの文(静止画像を避けること、コントロールセンターで明るさを下げること)を分けて、5つとして並べる。どれも設定か使い方の話で、上から順に確かめればよい。

  1. iPhoneを最新バージョンのiOSにアップデートする。「設定」の「一般」の「ソフトウェアアップデート」で確認できる
  2. 「明るさの自動調節」をオンにする。「設定」の「アクセシビリティ」の「画面表示とテキストサイズ」を開き、下へスクロールすると出てくる。Appleによると、この設定は初期状態で有効である
  3. 使っていないときに画面がオフになるよう、「自動ロック」の時間を短くする。「設定」の「画面表示と明るさ」から変えられる
  4. 静止画像を最大輝度で長時間表示し続けることを避ける
  5. 操作していないときも画面をオンにしておくアプリがある場合は、コントロールセンターで明るさを一時的に下げる

Appleは、明るさの自動調節を使うと、焼き付きや残像の影響をさらに抑えられると書いている。自動ロックについては、時間を短く設定しておくことを推奨している。

Appleのページに挙がっていないものは、この記事では対策に数えていない。ダークモードにすれば防げる、壁紙を変えれば防げる、といった話は、このページには書かれていない。

焼き付きが疑わしいときの進め方

数分たっても跡が消えないときは、次の順で確かめる。Appleのページに診断の手順はないので、1と3は筆者のやり方である。

  1. 画面を切り替えて数分使い、跡が消えるかを見る。消えるなら残像である
  2. 上の5つの対策を、まだ済ませていないものから実施する
  3. 跡の形と、スクリーンショットに写るかを確かめる。やり方はiPhoneの画面が一部だけ明るい原因と対処法|光漏れ・焼き付きの見分け方にまとめている

スクリーンショットに跡が写るなら、画面の表示データ側の問題で、パネルの焼き付きとは別の話になる。写らないのに肉眼では見えるなら、パネル側を疑う段階である。この切り分けも、Appleの案内ではなく筆者の整理である。

跡ではなく、画面全体の色がおかしい場合は、焼き付きとは別の症状として扱ったほうがよい。iPhoneの画面の色がおかしい原因のほうを先に確かめるとよい。

保証や修理を相談するときに押さえる点

跡が数分で消えず、対策をしても変わらないなら、Appleや正規サービスプロバイダに相談する段階である。相談の前に、保証の範囲を確かめておく。

Apple製品限定保証が対象にするのは、購入日から1年以内に発生した製造上の問題である。一方で、保証は、過失や事故による損傷や、通常の使用によるバッテリーの劣化には適用されない(Apple「AppleによるiPhoneの画面のサービスと修理」)。

焼き付きがこの保証の対象になるのかは、保証の案内にも、焼き付きの案内にも、書かれていなかった。落としたり濡らしたりした心当たりがあれば、相談のときに伝えておく。保証の対象になるかどうかは、診断を受けたうえで確かめることになる。

費用も、先に金額を知ることはできない。Appleは、最終的な修理サービス料金は、デバイスの診断・検査を行ったうえで確定される、と書いている(Apple「AppleによるiPhoneのサービスと修理」)。対面サポートは、Genius BarまたはApple正規サービスプロバイダで受けられる。

画面の修理に出す場合の準備は、iPhoneの修理でデータは消える?出す前にやることにまとめている。

よくある質問

焼き付きは、時間が経つと直るのか

直るかどうかは、Appleのページに書かれていない。書かれているのは、残像が数分で消えることと、最新のiOSが長期使用による影響を最小限に抑えるよう設計されていることである。焼き付きと思う跡が長く残るなら、自己判断で待ち続けず、相談したほうがよい。

ダークモードや壁紙の変更は、対策になるか

Appleのこのページには、ダークモードや壁紙の変更を対策として挙げた文がない。Appleが挙げているのは、前の章の対策(箇条書き4項目)だけである。ダークモードを使うこと自体は問題ないが、それで焼き付きを防げるとは、Appleは書いていない。

残像が出たら、すぐ修理に出すべきか

すぐに出す必要はない。残像は一時的で、通常どおり使っていれば数分で消えるとAppleは書いている。まず数分使って消えるかを見て、消えないときに上の進め方へ進む。

iPhone SEなど、古いモデルでも焼き付きは起きるのか

Appleのページが扱うモデルは、iPhone X、iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone 11 Proモデル以降(iPhone SE(第2および第3世代)を除く)である。それ以外のモデルについて、焼き付きの案内はこのページにない。ただし、どのディスプレイも経年で明るさが落ちる傾向があることは、このページに書かれている。

まとめ

iPhoneの画面に跡が見えたら、まず数分使って、消えるかを確かめる。消えるなら、Appleが書いている残像である。

数分たっても跡が残るなら、iOSの更新、明るさの自動調節、自動ロックの短縮など、Appleの案内にもとづく5つの対策を済ませてから、相談に進む。 保証の対象になるか、費用がいくらになるかは、診断を受けて初めて分かる。相談では、いつから、どのアプリを長く開いていたか、落としたり濡らしたりしたかを伝えておく。

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この記事を書いた人

みっつーのアバター みっつー 元Apple製品買取販売&修理店社長

Apple製品買取販売&修理店を2012年から10年以上運営→7店舗まで拡大した実績あり→1店舗の最高年間売上1億4千万円達成→事業譲渡→現在はフリーランスとして活動中

▼取得済試験
・スマートフォン・モバイル実務検定試験
・モバイル技術基礎検定試験

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