画面の中央は普通に反応するのに、右端だけ指を滑らせても反応しない。文字を打とうとすると右側のキーだけ入らない。この症状は、画面が割れていなくても起きる。
結論から書く。端だけ反応しないのは、タッチを検知する層の問題である場合が多い。 ただし原因が画面そのものにあるとは限らず、フィルムや内部の圧迫が犯人のこともある。交換に出す前に切り分けられるものがいくつかある。
筆者は元Apple製品買取店の経営者として、タッチ不良の端末を査定で数多く見てきた。ここでは自分で確認できる順に並べる。
まず切り分ける:ソフトか物理か
最初に、一時的な不具合かどうかを確かめる。
再起動で直るなら、システム側の一時的な不調である。強制再起動まで試して改善しないなら、物理的な原因を疑う段階に移る。
次に、反応しない場所が固定されているかを見る。ここが判断の分かれ目になる。
- いつも同じ場所(右端など)が反応しない:物理的な原因の可能性が高い
- 反応しない場所が変わる、勝手に動くことがある:別の症状である
後者は「ゴーストタッチ」と呼ばれる症状で、原因も対処も異なる。iPhoneが勝手に動く時の直し方のほうが近い。
フィルムとケースを外して確認する
物理的な原因のうち、最も費用がかからず、最も見落とされやすいのがフィルムとケースである。
厚みのある保護フィルムや、端が浮いたフィルムは、タッチの検知を妨げることがある。とくに画面の縁は本体との段差があるため、浮きが出やすい。
確認は次の順で行う。
- ケースを外し、端が押さえられていないか見る
- フィルムの縁が浮いていないか、指でなぞって確かめる
- フィルムを剥がして、素の画面で同じ場所を触る
剥がして直るならフィルムが原因である。なお、フィルムが割れているのか画面が割れているのか分からない場合は、先に画面割れとフィルム割れの見分け方で確かめてほしい。剥がす順番を誤ると症状が増えることがある。
内部からの圧迫を疑う
フィルムを外しても変わらないなら、内部を疑う。査定の現場で多かったのは次の2つである。
バッテリーの膨張
膨張したバッテリーは画面を内側から押し上げる。この圧力がタッチの層に伝わると、特定の場所だけ反応しなくなることがある。本体と画面のあいだに隙間ができている、画面が浮いて見える、机に置くとぐらつく、といった状態なら膨張を疑ってほしい。
膨張は放置してよい状態ではない。判断の目安はiPhoneのバッテリー寿命はどれくらいかで扱っている。
落下による本体の変形
角から落とすと、外からは分かりにくい程度に本体が歪むことがある。歪みが画面の縁に力をかけ続けると、端のタッチが効かなくなる。落とした心当たりがあり、その後から症状が出ているなら可能性は高い。
水濡れの履歴を確認する
水に濡れた履歴があるなら、乾いた後でも端子の腐食が進んでタッチ不良につながることがある。症状が出るまでに時間差があるため、原因として結び付けられにくい。
本体の水没マークで濡れた履歴は確認できる。場所と見方はiPhoneを水没させたときの対処法に整理している。
修理が必要な段階の見分け方
ここまで試して改善しないなら、画面の交換になる可能性が高い。判断の材料を並べる。
| 確認したこと | 結果 | 次にすること |
|---|---|---|
| 再起動 | 直る | 様子を見る |
| フィルムを剥がす | 直る | フィルムを替える |
| 画面の浮き | ある | バッテリー交換を検討する |
| すべて試して変化なし | — | 画面交換を検討する |
依頼先による違いはiPhone修理の非正規店おすすめと選び方にまとめてある。
よくある質問
画面が割れていないのに反応しないことはあるか
ある。タッチを検知する層は表面のガラスとは別なので、外から見て割れていなくても不良は起きる。落下や圧迫のあとに症状が出た場合はとくに起こりやすい。
再起動で直ったが、また再発した
再発するなら一時的な不調ではない。物理的な原因が進行している可能性があるため、フィルム・ケース・画面の浮きを順に確認してほしい。
右端だけ反応しないのは特定の機種に多いのか
特定の機種に限った症状ではない。ただし画面の縁が本体と近い設計では、フィルムの浮きや本体の歪みの影響を受けやすい傾向はある。機種名で原因を決めつけず、切り分けの手順で確かめるほうが確実である。
タッチが効かない部分をそのまま使い続けても問題ないか
原因による。フィルムなら実害は少ないが、バッテリーの膨張が原因なら使い続けるべきではない。膨張は進行するため、早めに交換を検討してほしい。
画面交換で直るか
タッチの層の不良であれば直る。ただし原因がバッテリーの膨張や本体の変形にある場合、画面だけ替えても再発することがある。交換前に原因を確かめておきたい。
まとめ
- 端だけ反応しないのはタッチを検知する層の問題であることが多い
- まず再起動で切り分け、次にフィルムとケースを外して確認する
- 変わらないなら内部を疑う。画面の浮きはバッテリーの膨張の合図である
- 水に濡れた履歴があると、時間差でタッチ不良が出ることがある
- すべて試して変化がなければ画面交換の段階だが、原因を確かめずに替えると再発する
いちばん安く済む可能性から順に試してほしい。フィルム1枚で直ることは、現場では珍しくなかった。



コメント
コメント一覧 (1件)
[…] 画面の右端だけが反応しない場合は、iPhoneの右端が反応しない原因で切り分けをまとめている。画面が割れているかフィルムだけの傷かは、画面割れとフィルム割れの見分け方で確かめられる。 […]