「ホームボタンに指を当てても、ロックが解除されない」
「何度やっても、指紋が認識されない」
「昨日までは使えたのに、急にパスコードを求められる」
iPhoneのTouch ID(指紋認証)が反応しない、という相談である。
結論から書く。Touch IDが反応しないときは、Appleが示している6つの手順を、1つずつ試してはTouch IDを確かめる。 Appleは、手順を1つ実行するたびに、Touch IDを使えるか試すよう案内している(Apple「iPhoneやiPadでTouch IDが機能しない場合」)。
もう1つ、確かめたいことがある。壊れていなくても、Touch IDが使えない場面は決まっている。再起動した直後や、指紋が5回続けて認識されなかったときなどである。この記事では、次の3つを解説する。
- Appleの6つの手順と、1つずつ試す理由
- 壊れていなくても、Touch IDが使えない場面
- 修理に相談する目安
修理店を経営していた筆者の立場から言えば、指紋認証の相談は、センサーの故障を疑う前に、指の状態や設定を確かめるだけで済む場合がある。まず、Appleの順番どおりに試すのが近道である。
まず、Touch IDの機種かを確かめる
Touch IDは、ホームボタンに指紋センサーがあるiPhoneの機能である。Appleのページには、Touch IDセンサーはホームボタンに搭載されている、と書かれている。ユーザガイドでも、Touch IDを使うと、ホームボタンを指で押すだけで、iPhoneのロックを解除したり、購入や支払いを承認したりできる、と案内している(Apple「iPhoneでTouch IDを設定する」)。
ホームボタンのないiPhoneは、Face IDの機種である。Face IDが使えない場合は、iPhoneのFace IDができない原因と対処法を確かめる。
Touch IDが反応しないときの6つの手順
Appleは、Touch IDが機能しない場合の対処として、次の6つの手順を番号つきで案内している。手順を1つ実行するたびに、Touch IDを使えるか試す。
- 最新バージョンのiOSを使っていることを確認する
- 指とTouch IDセンサーが清潔で乾いていることを確認する。センサーに埃や汚れが付いている場合は、清潔で糸くずの出ない柔らかい布で拭き取る
- 指がTouch IDセンサーをしっかりと覆うようにし、センサー周囲の金属のリングに触れるようにする。スキャンしている間は、すばやくタップしたり、指を動かしたりしない
- ケースを使っている場合や、スクリーンプロテクターを貼っている場合は、Touch IDセンサーや周囲のリングにかぶらないようにする
- 「設定」を開き、「Touch IDとパスコード」をタップして、「iPhoneのロックを解除」または「iTunes StoreとApp Store」がオンになっていて、指紋が1つ以上登録済みであることを確認する
- 別の指の登録を試す
手順の3つ目にあるリングは、センサーの周囲にあるスチール製のリングである。Appleは、iPhoneとiPadでは、ボタンの周囲にあるリングが指を検出し、そこからの指令を受けて、Touch IDが指紋の読み取りを始める、と説明している(Apple「Touch IDの先進のセキュリティテクノロジーについて」)。センサーだけでなく、リングにも触れるのはそのためである。
再起動や、指紋を削除して登録し直す操作、初期化を勧める記事もある。ただし、確かめた範囲では、Appleのこのページの手順には載っていない。
壊れていなくても、Touch IDが使えない場面
Touch IDが反応しないのではなく、使えない場面の可能性もある。Appleは、以下の状況下では、Touch IDを使う代わりにパスコードまたはApple Accountの入力が必要になることがある、としている。
| 場面 | Appleの案内 |
|---|---|
| 再起動した直後 | デバイスを再起動した直後 |
| 認識が続けて失敗した | 指紋が5回続けて認識されなかった場合 |
| 長くロックを解除していない | デバイスのロックを48時間以上解除していない場合 |
| パスコードを長く使っていない | 過去6.5日間パスコードでロック解除しておらず、過去4時間以内にFace IDまたはTouch IDでロック解除していない場合 |
| リモートロック | iPhoneにリモートロックコマンドが届いた場合 |
| 指紋を変更する | 指紋を登録または削除した場合 |
| 設定を開く | 「設定」メニューで「Touch IDとパスコード」を開こうとしている場合 |
昨日まで使えたのに、急にパスコードを求められた場合は、この表のどれかに当たっていないかを確かめる。パスコードを入力したあとにTouch IDが戻るかどうかは、確かめた範囲では、Appleのこのページには書かれていなかった。
指の状態や、登録のしかたで認識が変わる
指の状態でも、認識は変わる。Appleによると、水分、油分、ローション、汗、切り傷、乾燥肌などが、指紋の認識に影響することがある。運動をする、シャワーを浴びる、泳ぐ、料理をするなどの活動によって、一時的に指紋の認識がうまくいかない場合もある。
登録のしかたも、公式に書かれている。登録できる指紋は、最大5つである。登録のとき、次の画面では、グリップを調整するように指示される。普段ロックを解除するときと同じようにデバイスを持ち、最初にスキャンした指の中央部分ではなく、指紋の外側の境界部でTouch IDセンサーにタッチする(Apple「iPhoneやiPadでTouch IDを使う」)。
どの指紋が反応しているかは、「Touch IDとパスコード」の画面で確かめられる。リストにある指紋にTouch IDセンサーで触れると、一致した指紋がハイライトされる、とAppleは書いている。ハイライトされない場合の意味づけは、Appleのページには書かれていない。
Touch IDは、時間の経過に伴い、登録済みの指紋データの数学的表現を徐々に更新していくので、照合精度も高くなる、とAppleは説明している。ただし、使う人が操作して学習させる方法は、確かめた範囲では書かれていなかった。
「指を当てて開く」の設定もある
「指を当てて開く」という設定がある。Touch IDを搭載したiPhoneでは、これをオンにすると、ホームボタンを押さずに、指を当てるだけでロックを解除し、開くことができる(Apple「iPhoneのサイドボタンまたはホームボタンの設定を調整する」)。この設定の場所と、ホームボタンの確認は、iPhoneのホームボタンの設定と、修理までの使い方で扱っている。
直らないときは、修理の相談を考える
6つの手順で直らないときは、修理の相談を考える。Appleは、手順で問題が解決せず、「失敗 — Touch ID設定を完了できません」と表示される場合や、「Touch ID」がオンにならない場合、または「Touch ID」がグレイ表示になっている場合は、修理サービスが必要な可能性がある、としている。
修理の目安として、Appleが書いているのは、この3つの表示である。認識が悪い、反応が遅いといった段階で修理にする基準は、確かめた範囲では、Appleのページに書かれていなかった。
修理の前に、知っておきたいことが2つある。
- Face IDやTouch IDは、部品の交換後、部品のキャリブレーションプロセスが完了するまで、これらでデバイスをロック解除したり、支払いを完了したり、アプリにサインインしたりできない、とAppleは書いている(Apple「修理アシスタントを使って、iPhoneやiPadの修理を完了する」)
- Appleは、今後オブソリート製品のハードウェア修理サービスは提供しない、としている。古い機種を使っている場合は、Appleのページで、お使いの機種が対象かを確かめる(Apple「保証期限の切れたApple製品の修理サービスを受ける」)
修理に出す前のデータの扱いは、iPhoneの修理でデータは消える?出す前にやることで書いている。
よくある質問
Touch IDが反応しないのは、故障か
故障と決める必要はない。指の状態、センサーの汚れ、ケースの重なり、設定のオフなどで、反応しなくなる場合がある。Appleの6つの手順を試しても直らず、設定を完了できない表示が出る場合などに、修理を考える。
再起動のあとに、Touch IDが使えない
Appleによると、デバイスを再起動した直後は、Touch IDを使う代わりにパスコードの入力が必要になることがある。故障ではなく、決まった場面である。
指紋は何個まで登録できるか
iPhoneとiPadでは、最大5つの指紋を登録できる。新しい指紋を登録する際は、指紋の認識に少し時間がかかる場合がある。
手が濡れていると、認識されないのはなぜか
水分、油分、ローション、汗などが、指紋の認識に影響することがある、とAppleは書いている。指とセンサーを清潔で乾いた状態にして、試す。
古いiPhoneのホームボタンは、修理に出せるか
機種によって違う。Appleは、オブソリート製品のハードウェア修理サービスは提供しない、としている。お使いの機種が対象かは、Appleのページで確かめる。
まとめ
iPhoneのTouch IDが反応しないときは、Appleの6つの手順を、1つ試すたびにTouch IDを確かめる。最新のiOS、指とセンサーの清潔さ、リングへの接触、ケース、設定、別の指の登録の順である。
再起動の直後や、指紋が5回続けて認識されなかった場合は、壊れていなくても、Touch IDが使えない。 手順で直らず、「Touch ID」がオンにならない、グレイ表示になる、といった表示が出たときに、修理を考える。



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