「着信音は鳴っているのに、画面が真っ暗で何も見えない」
「通知音はするのに、電話に出ようにも画面が映らない」
「このまま修理に出すしかないのか」
音は鳴るのに画面だけが映らない、という相談である。
結論から書く。音は鳴るのに画面が真っ暗なときは、故障と決める前に、画面が消えているだけの設定や状態ではないかを順に確かめる。 Appleの「画面が真っ黒な場合」の案内は、強制的な再起動、1時間の充電、修理サービスの順である(Apple「iPhoneの電源が入らない場合や画面が真っ黒な場合」)。
ただし、Appleの案内は、音が鳴るかどうかで症状を分けていない。この記事では、Appleが書いている「画面だけが暗くなる・消える」仕様を先に確かめ、そのあとに強制再起動と修理の判断へ進む順番で書く。この記事で扱うのは、次の3つである。
- 画面が消えているだけの設定や状態の見分け方
- 強制再起動と充電のやり方
- 直らないときの修理の相談と、出す前の準備
修理店を経営していた筆者の立場から言えば、画面が映らない相談で最も避けたいのは、設定で直る状態を故障と思い込んで、先に修理に出してしまうことである。確かめる順番を決めておけば、その手間は減らせる。
まず、画面が消えているだけかを分ける
「真っ暗」には、画面そのものが映らない場合と、画面が自動で消えている場合が混ざっている。見分ける手がかりを、先に表にまとめる。
| 状況 | 疑うもの |
|---|---|
| 伏せて置いていた、ポケットに入れていた | 画面が自動で消える・暗くなる動作 |
| VoiceOverを使っている | スクリーンカーテン |
| 本体が熱い、ナビを使っていた | 高温による表示の変化 |
| 上のどれにも当てはまらない | 強制再起動、そのあとは修理の相談 |
上から順に当てはまるものを確かめていく。当てはまるものがなければ、強制再起動へ進めばよい。
設定や仕様で、画面が暗くなっているだけのとき
画面を起こす操作から確かめる。iPhoneのユーザガイドによると、スリープの解除は、サイドボタンを押す、iPhoneを手前に傾ける、画面をタップする、のいずれかである。画面のタップは、iPhone SEには対応していない(Apple「iPhoneのスリープを解除する/ロックを解除する/ロックする」)。まず、サイドボタンを押してみる。
次に、明るさを確かめる。Appleは、明るさをコントロールセンターの明るさ調節コントロールか、「設定」の「画面表示と明るさ」で調整するよう案内している。明るさが合っていないと感じるときは、「明るさの自動調節」をいったんオフにしてから、オンに戻してみるとよい(Apple「iPhoneやiPadで明るさや色温度を調整する」)。
音が鳴っていても、画面は仕様で暗くなることがある。Appleの案内で、画面が自動で暗くなる・消える場面を挙げる。
| 場面 | 画面の動き |
|---|---|
| iPhone 14 Pro以降の常時表示ディスプレイで、ポケットの中や伏せて置いているとき | ディスプレイが完全に暗くなる |
| 「常にオン」画面を使えるモデルで、画面が下になっている、低電力モードがオン、「睡眠」集中モードがオンなど | ディスプレイが自動的にオフになる |
| 低電力モード | ディスプレイの明るさが下がる |
| スタンバイの「画面表示」が「自動」 | 使われていなくて部屋が暗いとき、ディスプレイがオフになる |
| 集中モードのオプションで、ロック画面を暗くする設定 | 集中モードがオンのとき、ロック画面が暗くなる |
Appleのページによると、常時表示ディスプレイでは、バッテリーを節約するため、本体をポケットに入れている間や画面を伏せて置いている場合などに、ディスプレイが完全に暗くなる。「常にオン」画面が有効なモデルでも、画面が下になっている場合などは自動的にオフになる、とユーザガイドにある。
こうした動作は故障ではないので、iPhoneを手に取ってサイドボタンを押すと、画面が戻ることが多い。通知音が鳴ったときに伏せて置いていたなら、この項目をまず疑う。
VoiceOverを使っているなら、スクリーンカーテンを疑う
VoiceOverを使っている場合は、スクリーンカーテンがオンになっている可能性がある。Appleによると、スクリーンカーテンをオンにすると、デバイスもVoiceOverによる操作も有効なまま、ディスプレイだけがオフになる。ユーザガイドも、スクリーンカーテンがオンの場合、ディスプレイはオフでもiPhoneはアクティブだと書いている(Apple「Mac、iPhone、iPad、iPod touch、Apple Watch で VoiceOver のスクリーンカーテンを使う」)。
スクリーンカーテンは、VoiceOverを有効にしている場合の機能である。VoiceOverを使っていないなら、この項目は飛ばしてよい。
入り切りの操作は次のとおりである。
- 3本指で画面をすばやく3回タップする
- VoiceOverでズーム機能を使っている場合は、画面を3本指で4回タップする
- アクセシビリティのショートカットを設定済みなら、サイドボタン(ホームボタンのモデルはホームボタン)のトリプルクリックでも、選択した機能のオン/オフを切り替えられる
ショートカットで何を割り当てているかは、人によって違う。割り当てた覚えがないなら、3本指のタップだけ試せばよい。
本体が熱いときは、画面に何も表示されなくなることがある
本体が熱いときは、高温が原因の可能性がある。Appleは、デバイス内部の温度が通常の動作温度範囲を超えると、変化が見られる場合があるとしている。その1つが、ディスプレイが暗くなる、またはディスプレイに何も表示されなくなることである(Apple「iPhoneやiPadが高温または低温になりすぎた場合」)。
ナビゲーションを使っているときは、「温度:iPhoneを冷やす必要があります」という警告が表示され、ディスプレイがオフになる場合がある。このときも、音声による経路案内は引き続き機能するとAppleは書いている。音が鳴り続けるのに画面だけが消える症状は、熱でも起こりうる。
熱いときの対処は、Appleの箇条書きの順に、次の3つである。
- 本体の電源を切る
- 涼しい場所に移す(直射日光を避ける)
- 本体の温度が下がるまで待つ
熱くなる原因や、放置してよい目安は、iPhoneが熱くなる原因と対処にまとめている。
どれでもないなら、強制再起動してから充電する
ここまでで当てはまるものがなければ、強制再起動を試す。ユーザガイドは、電源をオフにしてから入れ直しても問題が解決されない場合は、強制的に再起動してみるよう案内している。iPhoneが反応せず、電源のオフとオンができない場合も、強制再起動を使う(Apple「iPhoneのオン/オフを切り替える」)。
Appleの「画面が真っ黒な場合」のページに載っている操作は、モデルで違う。
Face ID搭載のiPhone、iPhone 8以降、iPhone SE(第2世代以降)
- 音量を上げるボタンを押して、すぐに放す
- 音量を下げるボタンを押して、すぐに放す
- サイドボタンを、Appleロゴが表示されるまで長押しする。ロゴが表示されるまでに10秒以上かかることがある
iPhone 8以降とiPhone SE(第2世代以降)が同じ操作であることは、Appleの充電に関するページに書かれている(Apple「iPhoneやiPod touchが充電されない場合」)。
ホームボタンのあるiPhone
iPhone 7とiPhone 7 Plusは、サイドボタンと音量を下げるボタンを同時に、Appleロゴが表示されるまで長押しする。iPhone 6s以前は、ホームボタンとサイドボタンまたはトップボタンを同時に、Appleロゴが表示されるまで長押しする。
入らないときは、1時間充電してやり直す
Appleのページは、iPhoneの電源が入らない場合は、iPhoneを1時間充電してから、やり直すよう案内している。充電残量低下のアイコンが表示されている場合は、ハードウェアを確認し、iPhoneを30分間、または起動するまで充電する。
画面が見えない状態で、充電残量低下のアイコンが出ているかは確かめにくい。その場合は、1時間の充電をしてから、強制再起動をやり直せばよい。
電源が入らない・リンゴマークも出ない場合の復旧は、iPhoneの電源が入らない・リンゴマークも出ないときの復旧手順で扱っている。
それでも映らないときは、修理の相談に進む
強制再起動と充電でも直らなければ、修理の相談である。Appleのページは、iPhoneの電源が依然として入らない場合は、修理サービスが必要な場合があるとしている。画面の不調についても、Appleは、画面が依然として機能しない場合は、デバイスの修理サービスを手配する必要があると考えられる、と書いている(Apple「iPhoneやiPadの画面が正常に機能しない場合」)。
筆者の見立てでは、設定でも熱でも強制再起動でも直らない「音は鳴るのに画面だけ映らない」状態は、画面側の不具合を疑って、診断を受ける段階である。ただし、これはAppleの案内に書かれた原因ではない。画面の部品が原因なのか、ほかの原因なのかは、Appleの公開ページからは区別できない。
修理に出す前にやること
Appleは、修理に出す前の準備として、バックアップなどの手順を挙げている。端末が反応しない場合や、すべての手順を実行できない場合は、可能な手順だけを行えばよい。手順によっては、ウェブ上のApple Accountページまたはicloud.com/findでも実行できる場合がある(Apple「iPhoneやiPadを修理に出す準備をする」)。
「探す」をiPhone本体でオフにできない場合は、お使いの別のデバイスで「探す」アプリを開くか、icloud.com/findにアクセスする。iOS 26以前では、「探す」が無効になっていないと、Appleでは修理を承れない場合がある。
修理に出すとデータがどうなるかは、iPhoneの修理でデータは消える?出す前にやることで書いている。
依頼先と料金
Appleの修理は、対面と配送がある。対面サポートは、Genius BarまたはApple正規サービスプロバイダで受けられる。配送では、iPhoneを修理のために安全に送るのに必要なものすべてが入った、送料支払い済みの配送箱が届く(Apple「AppleによるiPhoneのサービスと修理」)。
料金は、デバイスの診断・検査を行ったうえで確定される。見積もりの段階では、金額は決まらない。また、Appleの保証は、過失や事故による損傷や、通常の使用によるバッテリーの劣化には適用されない。落としたり濡らしたりした心当たりがある場合は、診断を受けるときに伝えておく。
よくある質問
音は鳴るのに画面が真っ暗なのは、故障か
故障と決めることはできない。伏せて置いているときの自動的な消灯、VoiceOverのスクリーンカーテン、高温による表示の変化は、いずれもAppleが書いている仕様や状態である。これらに当てはまらず、強制再起動でも直らないなら、修理の相談になる。
画面が見えなくても、強制再起動はできるか
強制再起動は、ボタンだけで行う操作である。画面を見なくても、手順どおりにボタンを押せばよい。Appleロゴが表示されるまでに10秒以上かかることがあるので、途中で離さずに押し続ける。
ナビを使っていて画面が消えた。壊れたのか
熱の可能性がある。Appleによると、ナビゲーションの使用中に、温度の警告が表示され、ディスプレイがオフになる場合がある。このときも音声による経路案内は引き続き機能する。電源を切り、涼しい場所に移して、温度が下がるまで待つ。
電話がかかってきたのに、画面が暗くて出られない
電話がかかってきたときに、画面が暗いまま電話に出る操作について、Appleの公開ページに確かめられる記載は見つからなかった。サイドボタンを押して画面が戻るかを、まず試す。戻らなければ、この記事の順番で原因を切り分ける。
修理に出す前に、バックアップは必須か
Appleは、修理に出す前の手順として、バックアップを挙げている。ただし、端末が反応しない場合は、可能な手順だけを行えばよいとも書いている。画面が見えないときは、できる範囲を確かめて、依頼先に状況を伝える。
まとめ
iPhoneの画面が真っ暗なのに音は鳴るときは、まずサイドボタンで画面を起こし、明るさと、画面が自動で暗くなる設定を確かめる。VoiceOverを使っているならスクリーンカーテンを、本体が熱いなら高温を疑う。
それでも映らないなら、強制再起動、1時間の充電の順に試し、直らなければ修理の相談へ進む。 修理に出す前には、バックアップと「探す」の準備を、できる範囲で済ませておく。



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